やらなければならないと分かっているのに、ついつい後回しにしてしまう事ってありますよね。
目次
すぐやる人と後回しにする人の違い
物事をすぐにやらない人には、怠け癖があるパターンと、すぐやらないで寝かせる事でもっと効率的な方法を探している2つのパターンがあります。
日本の昔話にも、「3年寝太郎」という話がありますよね。
物事を少し寝かせる事で、みんなが思いつかないような事を思いつく事があります。
熟考する天才数学者
数学者は、2つ目のパターンの典型的な例と言えます。
みんながチマチマ計算している所を、一発で解く方法は無いかと考え、ある日、ふと方程式を思いつくという事が、実際にあるのです。
後回しをしているのは、知恵を使うために敢えて休んでいると言える場合もあるのです。
日本の議会が二院制を取る理由
日本は衆議院と参議院がある、二院制を採用している国ですよね。
その理由は、性急な判断を避け、熟考して物事を決める事が、大切であると考えているからです。
二院制の対極にあるのが、一院制ではなく独裁制です。
独裁制は、一人の気分で物事が決定してしまいます。
一人で決まるという事は、スピーディーさがあるといういう面がある一方、間違った決定が行われた際に、非常に恐ろし事が起こるという側面があります。
それを避けるために、二院制があるわけです。
人間の脳に当てはめると
一般的な動物の脳は、独裁的で反射的な働きをしますが、人間の脳は二院制ような働きをする事が出来ます。
人間は、見慣れない食べ物にむやみに飛びつくという事はしないですよね。
「毒があるんじゃないか」
「誰かに毒見をさせてみよう」
などと考えてから判断するといった事をしますよね。
この脳の働きは、すぐにやらない事にも、メリットがあるという事例と言えます。
暫定的に決めるシステム
日本の役所は、何事もたらい回し、後回しにして、物事がなかなか進まないという特徴があります。
「決められない場合はこうしよう」という暫定的に物事を決めるシステムの事を、一般的に「気分」と呼びます。
人間個体レベルが、気分で物事を決めてもさほど問題は起こりません。
ですが、国家レベルでこれを行うと、大問題を引き起こす可能性があります。
「いつやるの?」「今でしょ!」
林修先生の「いつやるの?」「今でしょ!」は日本人の心に大きく響きました。
受験という境界条件があり、結果を必ずここまでに出さなければならないという状況の場合は「今やる」という意思決定システムが非常に有効に働きます。
一方で人生というのは非常に長いため、40年も50年も先の事を、即決してしまうリスクの方が、むしろ高いと言えるのです。
実際は、ゆっくり熟考して、最適な解を求めるという方法が、生き延びるために有効な戦略なのです。
すぐにやるのは、すぐやらなけれならない事にだけでよいのです。
選挙での正しい判断
英国は、国民投票によりEUを離脱しました。
議会制民主主義が発達した英国で、このような結果が出た事に大きな驚きがあり、国民が理性的な判断を下すという事が、非常に難しい事であると実感するニュースでした。
日本は特に、政治の事を「まつりごと」と呼びます。
なんとなくフェスティバルやお祭り的なノリで、気分が爽快になる人を選んでしまう傾向があります。
政策を見て、その人が本当に正しいかどうかを判断するよりも、気分で決める傾向の方が、非常に強いのです。
国民投票になると、その傾向が更に強まり、判断を誤る危険性が高まってしまいます。
代議制であれば、一呼吸置き、理性で考えるというシステムが働く為、お祭りのノリで、決定してしまうという危険性を低くする事が出来ます。
人間の脳の構造
人間の脳のは、速いけれども少し不正確な判断をする感情で動くXシステムと、遅いけれども理性的で正確な判断を行うCシステムを持っています。
決定を早まってしまうと、気持ち的にすっきりと早く意思決定できる、Xシステムの方に寄ってしまう傾向が高まります。
特にお祭りなどの出来事の場合は、更にその傾向が高まり「理性的に考えればこちらが正しい」といった選択肢を選べなくなってしまう傾向があるのです。
政治の場で、このような意思決定を行ってしまう事は、非常に危険だと考えます。
選挙のような重要な決定は、お祭り的なノリで決めるのではなく、長期的な視野に立ち、よりよい政治を行ってくれる人を選ぶ事が大切です。
マスコミが作り出す誘導の空気
マスコミは、自分に都合がよい方向に国民を誘導する空気を作り出します。
やった事はもちろん褒められた事では無いとはいえ、元東京都知事の舛添要一さんは、そのマスコミの犠牲者と言えるでしょうね。