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思った事を緊張で言う事が出来ない
22歳の女性の方から質問を頂きました。
日本大学、文理学部4年生で教育関係を志望との事なんですけれども。
文理学部ね、世田谷の桜上水、下高井戸にある学舎ですけれでも、僕、その辺りに住んでいた事がありまして。
陸上グランドがあるんですけれども、そこで、学生時代トレーニングをしていたのを、凄い懐かしく思い出しますね。
では、質問に戻りまして…
私の悩みは、思ったことをなかなか全て言い切れない事です。
事前のシミュレーションでは、準備を整えているのですが、いざ本番になると、頭の中が急に真っ白になり、それをうまく出す事が出来ません。
緊張しすぎてしまっています。
武井さんは、緊張する事がありますか?
それを、どうやって乗り越えていますか?
緊張を乗り越える方法
という事なんですけれども…
武井壮はね、そうね、緊張は、そうですね、あんまりしないっすね。
ラジオなどで話したりする時も、緊張はほぼゼロですし。
テレビの番組でも、「緊張して、あぁ、もうダメだ、しゃべらない…」といった事は、まず無いですね。
今までも、殆ど無かったと思いますけれども、まぁ、馴れもあるんでね、それは。
ここ3年間、毎日、3本から5本ずつくらい、色んなラジオからテレビから出続けていますから、ぶっちゃけもう、何千本とやってますからね。
慣れっちゃってるのもあるんですけど。
話したいことが全然出てこない
これね、あの、僕も未だにね、頭の中に持っている話したい事とかが、全然出てこない事はあります。
特に、なんだろうな、すぽるととかね、スポーツの番組やってますけど、あと、スッキリとかね、コメンテーターをやらして貰ったりとかしてますけど。
何か番組の流れて、やっぱりコメントをするっていうときに、いいたい事っていくつか頭の中に浮かぶんですけれども、それをキレイに並べて出そうとすればするほど、出てこないんですよ。
それはね、あの、なんて言ったらいいんすかねぇ、会話してないんですよね、その時って。
人間って、意外とね、自分でいい事を言おうとしたりですね、綺麗に言葉を並べようとすると、話が出てこないんですよ。
それに全部詰め込もうとすると、1つのところが膨らみすぎちゃったりとか、上手く出てこない。
僕も、凄い今それに悩んでいまして。
哀川翔さんのセリフを覚える秘訣
だけど、気を付けているのは、僕、俳優さんに言われた事があるんですけれども、これは哀川翔さんなんですけど、哀川翔さんに、
「セリフとかって、どうやって覚えているんですか?」
って質問したら、
「まぁ、それはサラッとだよ」
「一応覚えはするけど…」
とか言われたので、
「でもそれは、相手のセリフとかもあるから、全部覚えななきゃいけないんですよね」
っていう風に聞いて、
「セリフ覚えって、どうしたらいいんですか?」
って聞いたら、
「セリフ覚えは、そりゃあ限界があるから、演技するときは聞くんだよ、とりあえず相手の話を」
って言って、
「聞けば、出てくっから」
「だから、セリフって言うのは、舞台みたいに、あれを言ったら、僕はこれを言わなければいけない、とか思っていると出てこない」
っていうんですよね。
あぁ、確かにそうだなって思って。
僕、それから、演技の仕事を頂く事があるんですけれども、ドラマとかね、それを意識し出したら、出てくるんですよ、スルスルーって、言葉が。
頭の中をあえて真っ白にしておく
それ以来、僕、その、スポーツ番組とかニュース番組とか色々やってんすけど、その時も、自分の頭の中にあることを、「こう言おう、こう言おう」と思ってると、全然出てこないんです。
ですが、とにかく、司会の人だったりとか、今話している人の話を聞いておくようにしてるんですよ。
自分の頭の中が、真っ白になっちゃうって言ってますけど、真っ白にしておくんですよ。
それで、相手の話を自分の頭の中に書き込んで、入れていくようにする。
だって、普段話をしている時もそうじゃないですか。
相手が話している時なんて、ぶっちゃけ「へぇ、そうなんだ~」なんて聞きながら、でも、自然にポンって浮かんでくるじゃないですか、会話なんて。
まぁ、それと同じなんですけど、面接とか言われちゃうと、自分が話してるんだ、っていう気持ちになっちゃうんですね、意外とね。
なんだろうな。
でも、これは、うまく出来るようになる練習法はあると思ってて、とにかく話を聞く事というのは、当然の当たり前の会話だから。
まぁ、でも、面接でね、
「じゃあ、左の方からお答えください」
なんて、会話じゃなくなる時もあるから、これに多分困ってるんだと思うんですけど。
試験の本番で失敗しないための練習方法
でも、そういう時って、僕はですけど、基本、落語をするようにしていまして。
とにかく、普段のトークをね、僕がバラエティーで使うネタだったりとか、エピソードトークにしても、全部、僕が僕に話しかけて、トークするようにしてるんですよ。
だから、例えば、友達と遊んだり、後輩と遊んだりして、僕らってね、芸人さんとかとよく遊んだりして、芸人さん達もみんなそうですけど、後輩たち連れて歩いて、ご飯食べに行ったりとか、旅行に行ったりする。
そして、そこで起きたエピソードみたいなものを、エピソードトークで話したり、街で出会った人とのエピソードを面白く話したりするっていうのが、結構、お仕事の中の1/3位をしめていたりするんですよね。
それを、うまくやろうとして、「うまく話したい、自分で全部うまく話したい」と思うと、意外とうまくいかないんですよ。
で、途中でね、周りにいる人が、ポンと話を挟んできちゃったりする事もあるんで、自分が話したい流れじゃなくなっちゃく事もあるんですよ。
これって凄く、本番の時にやられると、困るんだけど、どうするかっていうと、1人で落語をするんですよ。
全部自分に話しかけて、その話をするようにしてんすよ。
それを、何パターンも、何パターンも練習してるんですけど。
例えば、分かんないですけど、
「最近、何か面白い事ありました?」
とかって、無茶な感じで聞かれたりするんすよ。
「いやぁ、まぁ、そうっすねぇ」
「こないだね、友達と一緒にね、公園に行ったんですよ」
なんて言うと
「公園?えっ、どこのですか?」
みたいな。
公園に行ったその先を話したいのに、どこに行ったのか、とか聞かれたりするんすよ。
「まぁ、井之頭公園なんですけど」
とかって答えると、
「井之頭ってどっち園ですか?」
とか言う。
どっち園かって聞くって事は、その人は、井之頭公園に、西園とか東園がある事を知ってんすよ。
だから聞いてくるんですけど。
で、その人は、それに関するエピソードを持ってたりするから。
そうやって、ちょっと対応に困るような質問をしてきたりするんですよね。
なんかそれを自分で、いろいろ、練習しておくんですよね。
そうしたら、質問をする時には、自分が答える事をもう考えていて、それで、自分が答えている時には、既に次の質問を、もう別人格で考えているんですね。
これってもう、トークの倍速モードなんで、自分で両方の人格をやっているから。
これをやっておくと、他人との会話が、もう、スローモーションなんですよ。
だからもう、話をしている間に、凄く次の質問もなんか読めるし、質問して貰っている間に、自分の答えをもう作り出したりする事が出来てるんすね。
マラソンの練習をするのに、倍のスピードで走って練習しているみたいな。
そんな感覚なんで、鍛えられるんですよ、トークがね。
失敗する面接の特徴
とにかくね、自分の中で言いたい事を整理して、セリフのように覚えて面接に行くだけだと、絶対失敗すると思いますね。
だから、出来れば面接官に自分がなって、自分に質問をしつつ、それに答えつつ、その答えてる途中で、ここなんか質問出来そうだなと思ったら、そこに質問を挟んでみたりして。
それに対して、考えてもみなかったような答えを、自分で答えてみたりするのをね。
まぁ、シミュレーション、ただただシミュレーションするだけじゃなく、ご自身でやってみたらいかがかなと思います。
僕はこれで、結構、本番に救われている事もありますし。
特に僕、会話を聞きながらのトークショーをやってるんで、他の人が話している時も、自分の言いたい事を考えているんじゃなくて、その人の話を聞いてるんで。
その間にね、うまい事、入って行けたりもするんですよ。
「いやね、そこって、こうこう、こうじゃないですか」
なんて、入って行けたりもするんで。
そうしたら、僕が喋っている事が、後で笑いに繋がったりすると、僕が喋っている所は絶対にテレビ画面に映りますし。
そうやってね、映る時間を取り合っているのが、僕らの仕事ですから。
でも邪魔しないように、スムーズに話が進むように、いつも心がけて、1人で笑顔でトークを終えられる練習をしております。
ね、こんなのってね、なかなか難しい事かもしれないですけど。
言いたい事を、いつでもいう気構え、みたいなのを持っちゃうとあれですけど、聞かれたことに、いつでも、自分なりの答えを出せる練習は、しておくっていうのが、いいんじゃないのかなと思うんですけどね。
面接も結局はコミュニケーション
とにかく、会話をしましょうっていう。
コミュニケーションですからね。
そういうのが出来てきたら、多分、緊張が無くなっていくと思うんですよね。
なんか、僕はそういう感じで、フリートーク、芸能界でトークをやり過ごしていますけれども。
同じ話をする事って殆どないんで、我々の業界。
その引き出しがどんどんどんどん増えていく感覚を、僕は番組で頂いていますけどね。
面接とかしょっちゅうあると思うんで、それを、毎回毎回、「今回あんな質問されて詰まっちゃったけど、あんな話出てきたら、ラッキー」なんて、思っておくくらいでいんじゃないですかね。
そこで出来なかった事は、自分の中には無い能力だって事なんで、そこを後悔したってしょうがないですから。
そしたら、それ以降、「あの話出来なかったどうしよう」「じゃあ、もう一回家であの話をしてみよう」といって、会話で作り上げたその話というのは、次はスムーズに出てくると思いますから。
次の面接には、よりいい状態で、臨めるのではないかと思いますけど。
まぁ、とにかく、気楽に頑張ってみてください。
こんな事しか言えないんですけど…