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トランプ大統領の政策は異常なのか?
最近トランプ大統領のですね、いわゆるグローバリゼーションからアメリカンファーストと言っていますが、国内主義へという変化についてですね、評論家の多くがトランプ大統領は異常であるとか、国際化の波に反する事だというような事をよく聞くのですが、少し広い目でですね、アメリカの政策の変化というのを見ますと、全く別の像が見えてくるわけであります。
アメリカの独立というのはですね、イギリスからアメリカ人が東海岸に漂着し、そこで新しい国を作り始めたのが最初ですね。
ですから、アメリカ人というのはイギリス人なんですけど、それは移民をすごく受け入れたんで、今ではイギリス人の比率というは少ないんですけど、基本的にはイギリス人なんです。
イギリス人の西に行きたい願望
民族から言えばアングロサクソンですね。
18世紀にイギリスから、これが大事なんですけど、西に進んでアメリカに到着し。
なぜかって言ったら、イギリスから見てですね、イギリスから逃げる人達なんですね。
イギリスの中にいたくないと逃げる人達なんですが、イギリスから北は北極海ですからこれは寒くてダメで、東はフランス、ドイツに当たりますからこれもダメで、南は大西洋ですから、全然陸地は無いと。
いう事で、行くとしたらイギリス人が逃げるとしたら、やっぱりアメリカなんですね。
だから、西に行ったわけです。
その時に、アメリカ人というか逃げたイギリス人が西に行く癖がついちゃったんだと思うんですね。
アメリカ人の侵略の歴史
感性の法則っていうんですけど、この物理でもなんでもそうなんですけど、一回動き始めると、なかなかそれを止めるのは大変でですね、人間でもそうなんですけど。
まぁ、成長して教育を受けて、社会に入って、家庭を作ってといった一回流れが出来るとですね、違う事を思い浮かべる事すら大変なわけですね。
ですからそのまま行っちゃうんですけど。
それで、実際にはどうなったかというとですね、13州をアメリカの東部に作りまして、ワシントンとかニューヨークを作ってですね、そしてそこから少しずつ、少しずつ、インディアンを殺しながら、アメリカ大陸を西へ横断し始めるんですね。
最初はインディアンとのいざこざが随分と多かったんですけど、インディアンを随分と騙して。
アメリカ人によるインディアンの騙し方
騙し方は結構単純なんですね。
インディアンは人がいいので、まずは先遣隊インディアンの部落に行って、大いに人がいい事を示して、酒も飲んで、僕ら仲良くしようと言って帰ると。
そのうち、今度はインディアンの酋長を、酒の席に招待するんですね。
みんなで大いに酒を飲んで、酔っぱらって寝た所を刺し殺すと。
こういうのを繰り返して、少しずつ、少しずつ、内部に侵入するんですね。
そのうち、今度はメキシコにぶつかるんですね。
テキサスあたりでメキシコにぶつかるのですが。
アメリカとメキシコの戦争
これはなかなか相手も近代軍を持っていますから、すぐに騙すわけにもいかないので、これで、メキシコとアメリカの戦いが起こります。
象徴的には、アラブの砦の戦いなんかそうですね、リメンバーアラブ。
それで、それをやっつけて、次々とカウボーイが西に行ってですね、1850年にはですね、建国してから約100年後弱にはですね、カリフォルニアまで到達します。
通常だったらカリフォルニアに行けばですね、あとはもう広大な太平洋が見えるのでそこでやめちゃうんですね。
例えば、日本人がですね、西のシナの方に行ってもですね、東の太平洋を渡ってアメリカまで行くという事は、普通は無いわけです。
ジョン万次郎なんて人もいますけど、普通は近い方に行きますからね。
だけどアメリカ人は1850年に海を見てから、更に西に行こうとするんです。
アメリカ人の侵略に巻き込まれた日本の悲劇
それで、だいたい50年後の1900年には、どういう事が起こったかというと、ハワイの王朝を殺してハワイを占領し、アラスカはロシアと交渉して買い取り、グアム島とかサイパン島とかいう太平洋の島々は全部占拠して、スペインと戦争して、フィリピンを取ります。
だから、結局太平洋を全部取っちゃうわけですね。
これがだいたい1900年です。
ですから、カリフォルニアに到達してから50年後に、更に西に行くんですね。
この西に行く勢いというのはまだ止まらなくて、それで日本が被害を受けちゃったんですけど、1940年には日米戦争が起こると。
これは日本からアメリカを攻めようとしたわけではないのは、これは当たり前で。
日本は、アメリカに全然興味はありませんからね。
太平洋をまたいでおりますから。
まぁ、アメリカは日本が中国に行くのに難癖をつけて日本を攻撃したんですけれども、そんな事は普通は無いんですよ。
日本にいる人は、ちょっと頭がおかしくなっちゃって、日本がアメリカを攻めたみたいな事になっていますけど、そんな事は日本人は希望もしていません。
アメリカは、西に行く勢いを止める事が出来なかったんですね。
アメリカ人がしまくった戦争の歴史
それで、日本と戦争をし、次は朝鮮戦争、朝鮮半島まで行って朝鮮で戦争をし、更に1960年代になると、ベトナム戦争を起こしてベトナムに行き、ベトナムというのは元々アメリカは関係が無いんですよね。
色々と理屈はありますよ、戦争を起こす理屈はありますが、基本的にはあそこはフランスだったんです。
フランスから独立したベトナムを攻撃する。
ベトナム戦争ではいっぱい血にまみれたんですけど、それにもへこたれずにですね、それから更に西に行こうとして、アフガニスタンで戦争を起こす。
アフガニスタンは、ソ連が入った後なんですけど、アフガニスタンで戦争を起こし、ついにイランとぶつかり、非常にアメリカとイランとが険悪に、今でも険悪ですけどね。
それからイラク戦争を起こし、そしてシリアまで行っちゃうんですね。
2010年には今度はアラブの社会をですね、これは正常な軍事ではなくて、裏口から行って、イスラム革命というのを起こすんですよ。
リビアをやっつけるため。
それからずーっとモロッコまで行きます。
アメリカ人による侵略戦争の終焉
つまり、アメリカが西に行きたいという希望を、イギリス人が西に行きたいという希望は、イギリス、アメリカ、アメリカ西部のカリフォルニア、それからハワイ、それからフィリピン、日本、朝鮮、ベトナム、アフガニスタン、イラン、イラク、シリア、リビア、モロッコまで行っちゃうんですよ。
それで、よーくみたら分かるんですけど、自分の故郷は避けているんですね。
つまり、ヨーロッパは避けて、世界一周しちゃったんですよ。
それで、結局、西へ西へと行くと、地球は丸いものですからね、地球が平たかったらそういう事は無いんですけど、地球は丸いものですから、ついにモロッコまで行っちゃって、大西洋まで行っちゃってですね。
その大西洋を渡ったら、今度はアメリカですから、これでまぁ、終わったわけです。
この終わったのがだいたい2011年なんですね。
オバマ大統領 イラク撤兵の歴史的な意味
イスラム革命といのは、2009年くらいかな、から始まって、2012年くらいまでかかったんで、1~2年の誤差はあるんですけど、2011年についにですね、オバマ大統領がイラクからの撤兵を発表します。
この当時ですね、今から7年前ですけど、私はブログに盛んに書いているんですね。
これで遂に、アメリカの西が終わったかと。
これから東に撤退するぞと。
いうような事を、随分とブログに書いていますが、その通りになりまして。
イラクからは撤退し、イランと争っているから少し撤退し、アフガニスタンも撤退ぎみでありまして、フィリピンからも軍隊を引いて、現在では韓国からも軍隊を引くと言っているわけですね。
日本にも、日本から軍隊を引くかもしれない。
これは何を言っているかというのと、トランプ大統領の独自の政策ではなくて、今から300年くらい前から始まった、正しく言えば250年くらい。
トランプ大統領の政策はごく自然な事
イギリス人の西へ西へと行く力というのが、ようやく2011年に終わって、引き返し始めたわけですよ。
引き返し始めた事を、グローバリゼーションから、ナショナリズムへとか言っていますけど、これは別に後からつけた理屈であって、私の見解ではですね、西へ行きたいという欲求が無くなっちゃったという事ですね。
西尾幹二先生はこれを、アメリカで言われている事ですけど、西に行く精神衝動、西に行きたい行きたいという衝動が、2011年についに終わると。
そして、アメリカがまた昔のように、自分たちの土地で、自分たちが生活するようになると。
日本の戦争も、日本も巻き込まれたわけです。
アメリカに巻き込まれた国といったら、メキシコでしょ、ハワイ、そらからアラスカには人がいませんでしたが、フィリピンもそうだし、スペインもそうですね。
それから、日本、朝鮮、ベトナム、もうアフガニスタン、イラン、イラク、それからアラブの国たち、全部アメリカの西に行く衝動で、被害を受けた人たちですね。
それが、今はアメリカが帰りつつある。
それが、現在のトランプ大統領の政策であるという事なので、決してトランプ大統領の性格だとか、独自の政策というものではないという事ですね。
歴史というものは、非常に面白いものですね。