日本人の給料を倍増する方法!日本人の極度の節約思想とデフレの関係性!武田邦彦

日本人の給料を2倍にする方法

このシリーズの前半では、まずは私たちが今まで働いて稼いできたお金、これは本来は日本国民が働いたわけですから日本国民が保有している必要がある、それが企業や国とかいろんなところに2000兆円くらいあるんではないかと、

これに個人資産の1600兆円というのはダブルカウントになっている部分もあって、いずれにしても2000兆円程度のものがあるということをまず返してもらうというか公にする必要があるということを指摘しましたが、

今度の2倍にする方法は、いよいよ給料を2倍にすると。

日本人の給料を2倍にする為に必要な生産力

給料を2倍にするというのが、かつての池田首相が所得倍増計画を打ち上げたときに、当時非常に若かった私は、そんなことができるはずない、給料がすぐ2倍になるんだったら今でもしてほしいよ、とそういう感想だったんですが、

その後私自身も勉強し、だんだんわかってきたわけでありますが、給料を倍にしようと思って倍にできない場合と、それから給料を倍にしようと思ったら倍にできる場合の2つあるわけですね。

非常に簡単に言いますと、日本の国に生産力がある、例えばある国に生産力があるということがまず大切なんですね。

生産力がないと、生産力というのはこの場合ちょっと広く考えていただいて、例えば電力なんて言うのは今サービス業に分類されているものですから、生産力と言うと電力が入らないなんて変な屁理屈が出てくるんですが、もちろん電力は生産ですから、

ただ文科系の人と言うとまた怒られちゃうんですが、電気が見えないものだからサービス業になったと思うんですけど、電子というのは、ポテンシャルを持った電子というのはれっきとした物質ですから、物質の生産、トヨタが作っていえる自動車と、東京電力が作っている電気というのは、ただ形が大きいか小さいかだけなんですけど。

サービス業と製造業の境目

それから、散髪とかレストランというのが、レストランがサービス業かと言うと、これはちょっと問題なんですよね。

現在ではサービス業に分類されていますが、レストランというのは、素原料を買って、キュウリとか肉とかを買って、それを加工して付加価値の高いおいしいものを提供するわけですから、これはトヨタ自動車と変わらないんですね。

だからこれは製造業でしょうね。

レストランは製造業だと思うんですね。

だから電気は製造業だし、レストランも製造業なんですが、純然たるサービス業というのはどういうものかというと、例えば散髪屋さんというものがそうだと言われていますが、これも怪しいですよね。

人間というのは散髪しない状態は非常に素原料みたいなものですね。

それを散髪して、外に出られる頭にしてくれるとかですね。

最近では女性がネイルをするというのも、製造業といえば製造業なんですよね。

つまりこの製造業というのは、いわば自動車修理業なんかと一緒ですよね。

人間がやっていると社会的に少し価値が落ちてくるので、お化粧をしたり散髪したりして、リニューアルするわけですから、これも自動車修理業というのは製造業ですよね、つまり価値の下がったものを上げるわけですから。

鉄板を加工して新車を作ってもいいし、少し古い中古車を加工して作ってもいいわけですから、これもそうすると純粋なサービス業というのは何かというと、これはなかなか難しくて、ここではあまり議論をしたくないんですよね。

ですから、純粋なサービス業といったら公務員だけかもしれませんね。

だけどそれも、公務員も生産の一部を担当していると言えないわけじゃないんで、金融もそうですけど、そういうのを全部入れて生産力、というか活動力があることというんですかね、活動力があると言ったほうがいいんですけど、ちょっとわかりにくいのでここでは生産力があること。

日本人の給料が2倍にならない理由

それからお金があること、というのがあるんですね。

お金が非常にないと、生産力があってもダメなんですね。

ですから、低開発国なんかはいろんなところからお金を借りてやると。

生産力はあるんだけどお金さえあれば回る、という場合もあるんですね。

ところが日本の場合は、生産力は十分にあるんですよ。

これは設備投資をしてもいいし、それからいろんなサービス関係の生産業、これも非常に能力があるんですね、ですからあると。

お金はもう有り余ってるんですよ。

なにしろ金利がほとんど0なんですから、これはお金があるということ。

そうすると、この前提が2つあるのに、なぜ我々の賃金が、給料が上がらないのかと言うと、まずどんどん買ってどんどん捨てなきゃならないわけですよね。

ゴミを増やさんといかんわけです。

このゴミを増やすというのは、例えば散髪してもゴミは増えないじゃないか、そんなことないんですよ。

散髪をするのにははさみもいりますし、それからシャンプーもいりますし、それから床に落ちた髪の毛を掃除しなきゃいけませんし、つまりどんなものでもじゃんじゃん買って、自動車もじゃんじゃん買ってどんどん捨てると、これがまず第1条件なんですよ。

というのは、我々の生活というのを豊かにするわけですよ。

給料を倍にするわけですからね。

倍にするには、今の給料を使い切らなきゃダメなんですよ。

いつも足りないよ、足りないよという状態にすれば、物が売れますから、もしくはサービスが増えますから、だからいいわけですね。

ごみが増えると資源がなくなるという勘違い

そうすると、ごみが増えるとか資源がなくなるとか変な間違いをいう人がいて、これは間違いですから直さなきゃいけないです。

間違いを含んでいて、給料を倍にするということはできないわけですからね。

もう1つは、経営者が借金をするということですね。

ソニーが生んだ富とウォークマン

これはこの頃あんまり言われないんですけれども、それからこれが基本的な問題かどうかということはこのシリーズの最後のほうにやりますが、この現在の私たちの自由主義社会と言ってもいいし、資本主義社会というのは、企業が有益なものをまず作るんですよね。

それを典型的には企業の発明家が、例えば僕がいつも例に出すのはウォークマンですね。

ソニーのウォークマン。

今まで歩きながら音楽が聴けなかったのに、歩きながらすばらしい音楽が聴けるというものを発明して、それを作りたいと思う、これがまず第1ですね。

世の中に貢献できるから作りたいと。

作りたい時と思って自分に金がない、金がないほうがいいんですが、銀行に行って100億円借りてウォークマンの工場を作る。

そして生産をして、それを200億円で売ると。

そういう循環ですね、これがいいわけです。

というのは、お金が増えて、かつ生産が増えますから、我々は生活が豊かになり、企業が成長し、給料が倍になるわけですね。

日本人の給料を2倍にする事は可能なのか?

お金には回転というのがあって、同じ100億円でも1年に2回使えば200億円になるし、1回だけ使えば100億円になると、めんどくさいことがあるんですが、

いずれにしてもグルグルグルグルお金を回し、量を増やし、銀行が貸し出せばそれだけ通貨が増えますから、それが結果として日本全体の、1億2700万人で割る、というか勤労者7000万人で割りますから、結果として所得が増えると、こういうことになりますね。

したがって、非常に給料を2倍にするのは簡単で、生産力があること、これは現在あるから何も対策はいらない、お金があること、これも現在ある。

問題なのは、みなさんが貯金しないでどんどん使ってどんどん捨てるということで、これにはどんどん買ってというのは皆さんがそういう決意をすればいい、どんどん捨てる方はごみが増えますから焼却炉を自治体が増やせばいい、こういうことですよね。

自治体がごみを減らそうなんて言った日には、給料は倍になりませんね。

あとはやっぱり経営者が思い切った投資をするだけのいいものを発見して、それで銀行からお金を借りると、事業を頑張るということですね。

無借金経営がデフレを生む

この頃無借金経営がいいなんていう変な話があって、無借金経営というのは、その会社にとっては投資のリスクが減るわけですよ。

投資のリスクを自分の資金でやるということは、社会全体のお金を増やさずに自分の仕事をやるんで、物だけ増えるんですね。

物だけ増えるので、デフレになりますね、社会全体は。

日本人の極度の節約思想の弊害

だから銀行から借金をする借金経営がいい、健全な借金経営というのはどのくらいかと言いますと、自己資本をある程度、非常のために持っていて、そして銀行から借りてもその利子を十分に払えるだけの価値のあることを社会に提供するという、非常に健全な経営ですね。

これが1番いい経営であるということを、日本全体でコンセンサスを取っておく必要があると思いますね。

それから、小学校とか中学校の先生が、過度に生徒に貯金しなさい貯金しなさいと言うことは、あまりよくないわけですね。

アメリカ人はほとんど全部が借金の塊なんですけど、それでいいというわけじゃありませんが、もう少し目を広く見て、学校の先生とかそういう人たちが広く社会を勉強して、バランスの取れた教育をするということも非常に重要かと思います。

そうしないと、日本人が過度に節約思想になってしまうということも非常に注意を要することだと思います。

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