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日本を襲った水害の大きな被害
この7月のですね、西日本を中心とした水害はまあ非常に大きかったですね。
だいたいその、そこで犠牲になる方々の人数でその大きさを量ってはいけないんですが、まあだいたいこう洪水とかそれから大雨っていいますと、
5名とか10名の方が命を落とされるっていうことが多いんですが。
100名弱まだあの行方不明の方がおられるのでどうなるか分かりませんが、まぁ巨大な災害になったわけですね。
日本の災害を全て温暖化のせいにする汚さ
で、これについてまあ今までよりか少し改善されたのがですね、今までは全て温暖化の責任にしてですね、
温暖化が酷いから異常な気象だ、異常な気象だとは言ってたんですがそれは一応かなり下火になりましたね。
この温暖化による異常気象というものが、20年ぐらい言われて続けたためにですね、まぁどういう事が起こったかって言いますとですね。
まず第一に、どのくらい異常かということを言わなくなったっていうことなんですね。
若い人が知らない気象庁の変化
私はやや歳を取ってるので、昔の気象庁っていうのはですね、事実を淡々と述べていたんですね。
気象庁が、何か命を守るための措置をしてくださいなんてことは、気象庁は言わないでそれを言うのは自治体だったんですね。
気象庁は淡々と気象を述べて、それに対して各自治体がどのような対応をするかと。
退避するなら退避する、というようなのが基本的な姿勢でした。
それでNHKも今のように、いやアナウンサーがですね、どのぐらいの見識があるかどうか分からないんですけど。
えっと、直ちに何をしてくださいとかなんか言ってるんですけれども、これはやっぱりかなり大きな越権行為でやっぱり人の命てのは非常に重要ですからね。
それはやっぱり、地元の行政、市長さんとかですね、それから消防・消防の関係者がですね、まぁ適切な判断を専門的な立場から適切な判断をするっていうのは正しくて、
まぁこれも犠牲者を増やしてる一つの理由じゃないかと思います。
オーストラリアでの記録的豪雨
ただ今度の場合はですね、だいたいその記録的な豪雨って言いますけども、記録的ってのはどんぐらいかって言うと。
アメダスが設置されて以後ですから、だいたい20年くらいなんですね。
ですから、数十年にいっぺんの豪雨というのを記録的豪雨とよく言ってるんですが、まあこれがですねまた非常に今度の場合、多くの方の不信感を呼んでいます。
どのくらい雨が降ったか、例えばですねオーストラリアのブリスベンっていうとこは、ブリスベン川がよく氾濫するんですけども。
この氾濫情報は、どういうふうに伝わるかっていうとですね。
まずあの気象庁のような機関がですね、ブリスベンの上流の雨量の観察をしてるんですね。
それでどのくらい雨量になると、つまり何ミリなるとってはっきりあるんですよ、何ミリになると警戒警報が出るとか、何ミリになると退避命令が出るっていうふうに、ちゃんと決まってるんですね。
あらかじめ上流における雨の降り方と、下流における洪水、あそこ必ず洪水が起こるわけですね。
そうすると皆は逃げるんですよ。
それで、どのくらいまで洪水が行きますかってことも、ちゃんとあらかじめ計算してあるんでよね。
オーストラリアよりか、日本の方がこういった技術は実は進んでるので。
まともに働かない日本の環境研究所
もしもですよ、まぁ日本の場合は環境研究所とかそういうのが、温暖化とかそういうくだらないことばっかやってるんで、全然計算しないんですけれども。
環境研究所なり国土交通省の研究機関がですね、それこそコンピューターを駆使して日本の各河川についてどのくらいの雨が降ったら、
どういう状態になるって言うことを計算し、それを自治体と一緒になって打ち合わせをしてですね、それでそれを例えばNHKならNHKと打ち合わせをしてですね。
そして連携をとるということになると、まず気象庁が観測をする、国土交通省が計算をする、その結果をNHKが何時何分頃に雨が降りだしたとか、何ミリであるとか、それから川の水位はどのくらい上がるとかいう報道をする。
それに応じて、今度は行政及び消防関係者がですね具体的な避難の指示、避難の方法をやるという。
そういう一連の科学的合理性を持ったですね、ものをしなきゃいけないわけですね。
ところが、これはこういう縦割り行政の仲の悪さもあるし、この自然人災と書いたんですけど。
自然のが基になってるけど、人災であるという意味ですが。
日本の河を氾濫させるコンクリートから人へ政策
氾濫させる行政と書いてあるんですが、もちろん行政も問題があります。
ただ、実はですね二つの問題があるんですね。
えっと、コンクリートから人へなんていう変なのがあってですね、公共工事が相当止まったわけですね。
そのために川の浚渫(しゅんせつ)、堤防工事というのが大幅に遅れました。
特に問題なのは川の浚渫ですね。
堤防っていうのはですね最低の方法なんですよ。
なぜかって言いますと、例えばあの関東平野、あんなに広い関東平野。
それから私が住んでいる名古屋の濃尾平野はですね、濃尾平野例えば、木曽川の運んできた土砂なんですよ。
だから川は、どんどんどんどん土砂を持ってくるわけですね。
それに対して、堤防を築いたらですね、どういうことになるかっていったら、川底がどんどん上がってくるわけです。
川底がどんどん上がってくるってことは、どういうことかって言うと。
その河川のところに、溜まるべき水がどんどん減ってくるってことなんですね。
ですから、洪水になるわけです。
堤防を築いたら必ず浚渫、つまり川の底の泥を次々と除いて、堤防の高さが実質低くならないようにしなきゃいけないわけですね。
日本の川がどんどん氾濫する理由
ところが皆さんもご存知の通り、どの川でも浚渫はしておりません。
川の浚渫っていうのは絶対必要なんですが、普通は川の水が少なくてなかなか浚渫が難しいっていう事とか、それから川の砂を取るなとかいう変な運動もあったりしてですね、川の砂がそのままになってたりするわけですね。
もちろん川の砂を浚渫すれば、泥水が下流に流れますからそこで漁業問題っつのが起きるんですね。
こういう問題について、諸外国はどうしてるかって日本はもうすんごくダメんなっちゃたんですね。
で、諸外国はどういうふうにしてるかって言いますと。
えっとあの、例えばあのメコン川とかメナム川とかああいった東南アジアの国はですね、洪水させてるわけですね。
そして肥沃な土、上流の肥沃な土が平野を覆ってしばらく1ヶ月くらい何にもできないんですが、それが引くとそこで農業をするって昔型のやり方ですね。
これですと、山の方から降りてくる土をですね有効に使うことが出来る。
だけども、近代国家ってのはちょっとそれやりにくいとこがありますね。
オーストラリアの防災に関する論理的な方法
えっと、コンクリートとかアスファルトで覆われてますから、洪水で少しずつ少しずつ地面が高くなるっていうことは出来ない。
とすると先ほど言いました、オーストラリアのブリスベンのようにですね定期的に氾濫させるんですよ。
あのブリスベン川は、ほとんど堤防がないんですよね。
それでなんでかってったら、氾濫するときは的確に報道して氾濫するのに皆が逃げるんですよ。
で、逃げて氾濫が終わったらまた来て、そして皆家を片づけ、道路アスファルトになってますから土を退け、そして家の中を修理する、このための保険も入っているというそういう状態ですね。
ですから、世界各国でちゃんとした議論が行われるところ。
オーストラリアっていうのはですね、防災に関しては非常に論理的な方法をとってるんですよ。
災害対策が批判される日本の異常事態
日本みたいに、まさかNHKみたいなところがですね、逃げなさいなんてことは、絶対言わないし。
それから日本のみたいに、避難指示と避難勧告があってどっちが何を言ってるのか分からない。
これはあの、外形を気にしてんですね。
避難をあの、避難した方がいいですよってやつと、避難しなさいという命令形があるんですけども、避難命令っていうと文句を言われるから、避難勧告っていうのかな今、全然なんだか分かんないわけですね。
まあこれ、薬傷本位のものをやってます。
ですから、氾濫させる行政と書いたら、行政の人達は怒るでしょうね。
つまり予算が絞られちゃうんですよ、絞られちゃったんですよ環境運動のために。
コンクリートから人へなんて言うもんだから、公共工事なくなっちゃった。
それから浚渫をしようとしたら、泥水を流すなって言って文句言うし、もう無茶苦茶なんですよ。
川が砂を運ぶということを認めないっていうからですね、まあそういうのが現在の環境運動であり、それからさらに公共工事減少ということで。
江戸時代より酷い日本の治水工事
治水というのは最も大切なものなのに、治水をほとんどしないでほったらかしてるわけですから。
しかも昔、江戸時代の治水よりかもっと悪いんですよね。
江戸時代は、堤防が弱かったからほどほど氾濫したんですけど、今は氾濫しないように造ってますから、一度氾濫するともう酷いことんなるということですね。
ですから今回、西日本でのこの自然人災で亡くなった方の多くは、まぁ言えばですね言えばですよ。
政治、無作為な政治それに伴って声を上げない行政、それから自然を全く考慮しない環境運動。
この組み合わせがですね、今度お亡くなりになった人達を殺したって言うとちょっと言い方悪いんですけども、少なくとも犠牲の一つの要因になっているわけです。
ですから、今回の事は地球温暖化とかそういうつまらない事じゃなくて、人災であると。
治水というのは、もう本当に一番大切な政治の一つであると。
言うことをはっきりさせる必要があると思います。