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日本も遂に開始する巨大IT規制
巨大IT規制のお話をさせて頂きたいと思います。
巨大IT規制、巨大プラットフォーマーと言われるGAFAを中心とした世界的な企業が、日本にも多数進出しています。
そのような企業が、個人情報や、マーケットを支配し、独占的な地位を築いているのではないかという事が、大きな問題になっているわけです。
やっと日本でも、来年度の通常国会で規制に向けて動き始めたという事になります。
デジタルプラットフォーマー、プラットフォーム。
いわゆる仕組みを提供する業者。
このような業者の中には、大手で言えばamazon、Apple、facebook、Google、Microsoft、などがあります。
いわゆるGAFAと言われる企業。
また日本国内では、楽天やYahooなどがありますが、大手の事業者が、寡占化(大手数社に売り上げが集中)してしまっているわけです。
その結果、デジタルプラットフォーマーと、事業者。
いわゆる納入業者や、関連先などとの間で、デジタルプラットフォーマーが、非常に有利な状況になっている。
例えばですね、Googleなどが「この条件で」と言った場合、この条件を飲まないと取引出来ないなどという形になりますので、結果的のプラットフォーマーが、勝手にルールを変えたり、手数料率を引き上げたり。
逆に、払う手数料を下げたりする事が出来るというのが、今の状況なわけです。
Youtubeにもそれが言えます。
これを、規制して行こうというのが、今回のデジタルプラットフォーマー規制。
デジタルプラットフォーマーを規制する2つの鍵
これに関しては、独占禁止法を使って規制をする。
そして、個人情報保護法を使って、個人の情報を守る。
この2種類の主な仕組みがあるわけです。
個人情報保護に関しては、ヨーロッパではGDPR、個人情報保護のルールが、2016年に施行されています。
EU圏内の個人情報を、国外、域外に持ち出せないという規制があるわけです。
アメリカに関しても、プラットフォーマーが、海外に個人情報などを持ち出す際に、規制をかけています。
HUAWEIにダダ洩れの日本人個人情報
しかし、残念ながら、日本にはそのような規制がありません。
ですから例えば日本にある、逆に言うと、海外で情報を集めたもの。
日本人のデータが、自由に売買されてしまっている現状があるわけです。
これはHUAWEI(ファーウェイ)などにおける通信情報などに関する危機と同じ危険性を持ってるという事になります。
これを制限するために、個人情報保護法も強化し、外国事業者に対して、個人情報の持ち出しを禁止したり、持ち出す際に、個人に通知するように命令をしたりする法律が出来るわけです。
現在、日本の事業者に関しては、日本の法律で、ある程度の規制がかかっています。
ところが、海外で営業し、海外でプラットフォームを作っている業者。
これを、日本人も利用しているわけです。
そのような場合、日本人の個人情報は、自然に、外国に流れてしまう事になります。
これに関して、海外の事業者であっても、日本でプラットフォームを提供する、営業活動を行っているなどの場合、日本政府が命令をしたり、改善命令を行ったり、そのような不正な業者の名前を公表出来るようにする事によって、利用者の安全を守ろうとしているわけです。
マーケットを寡占化する巨大プラットフォーマー
また、巨大プラットフォーマーの特徴として、ソフトバンクのビジョンファンドでは無いですが、様々な関連企業を、どんどん買収して行って、巨大化して行っているという現状があります。
例えばAmazonで言えば、83社、Appleで言えば、108社、facebookで言えば77社。
Googleに至っては、234社。
Microsoftにおいては、221社の企業を買収し、業務をどんどん拡大して行っているわけです。
しかし、その結果、マーケットそのものが、どんどん寡占化されてしまっている。
例えばGoogleは、Youtubeを持っています。
Youtubeというプラットフォームは、非常に巨大なもので、ライバルがいない状態になっているわけです。
このような状況を是正するために、様々な分野における買収に関しても、独占禁止法を厳格化して、審査を厳しくするというのが、今回の要点の一つになります。
個人に対する独占禁止法の適用
また、独占禁止法では、優越的な立場の乱用というものが規定されています。
これは、一方が強く、一方が弱い場合、優越的な立場を利用し、厳しい条件などを押し付ける。
値下げを要求するなどというものが、それに該当します。
これは、本来、企業間のものですが、今回の改正によって、個人に対する優越的な立場の乱用も適用する事となりました。
これによって、企業が個人に対して、「これをしなければ使わせないぞ」という不正な取引形態を改善する事が出来るようになるわけです。
トランプ大統領が待ったをかけたグローバリズムの流れ
いわゆるプラットフォーマーと呼ばれる巨大企業。
これは、グローバリズムによって成立して来ました。
グローバリズムは、人・物・金の壁を無くす。
その結果、世界的な活動が出来るようになったわけです。
しかし、トランプ大統領誕生以降、ナショナリズムが強まり、国境の壁を作る動きが強まっています。
今回の巨大IT規制も、日本の国境を復活させる始まりと言えるでしょう。