香港国家安全維持法の成立で香港はどう変わるのか?

香港国家安全維持法の成立とその後の展開

香港国家安全維持法の成立とその後の展開についてお話をさせて頂きたいと思います。

6月30日、全人代は「香港国家安全維持法」という法律を通しました。

この法律によって、香港の一国二制度は崩壊し、いわゆる(香港)、香港という自治国的な位置づけは、一切なくなってしまいました。

この法律においては、香港の安全、また、中国に対する批判等を行った人物等を処罰する、というものであり、事実上、香港の独立運動なども出来なくしてしまうものです。

また、デモや集会などに参加しただけで、中国本土に連れて行かれてしまい、逮捕されてしまう可能性もあります。

香港国家安全維持法の成立の最大の問題

そして、この法律の最大の問題は、38条にあります。

第38条
「香港特別行政区の永住者の資格を有しない者が、香港特別行政区の外で香港特別行政区に対してこの法律に基づく罪を犯した場合に適用される」

第38条では、香港にいない人。

外国人であっても、外国で行った行為が中国の国家の治安維持に反するものであった場合、その人が香港などに入った場合、逮捕してしまう事が出来る、という法律です。

これは、日本人のみならず、世界中の人々が、対象となっています。

そして更に、この法律の問題は、ウイグルやチベット、台湾などの独立運動に賛同する発言などをした場合も、検挙の対象となるという事です。

日本人が、香港や中国の域内に入った場合、SNSなどでそのような発言をしていただけでも、逮捕されてしまい、拘束されてしまう可能性がある、と言えるわけです。

また、中国と親しい国との間で、犯人引き渡し条約などを結んでいる国に入るのも危険と言えます。

米国 対中制裁法案を通過

このような状況に対して、アメリカは対中制裁法案を通過させました。

昨年11月、アメリカは「香港人権法」という法律を作り、香港の人権弾圧に関わった人や団体に対して、ビザの廃止や、金融制裁を行うことが出来る、という法律を作りました。

今回、香港国家安全法の成立に伴い、更にそれを厳しくして、それに関わった銀行。

香港の国家安全法における逮捕などに関わった人物、と関わった銀行。

この銀行を、ドル取引の対象外とする、としたわけです。

つまり、この法律を作った人、試行している人、中国共産党幹部、という事になります。

中国共産党の幹部の銀行口座がある、その銀行は、ドル決済出来なくなる、という事になるわけです。

この法律は、上、下院共に、全会一致で通りましたが、まだトランプ大統領はサインしておりません。

サインした場合、この法律が成立し、結果、香港弾圧、香港の人権弾圧に関わった人たち、中国共産党を含めて、銀行口座を持つ銀行は、ドル取引が出来なくなり、最悪、破綻の危機に面する事になります。

黙っていないイギリス

また、イギリスも黙っていません。

一国二制度、香港返還の当事者は、イギリス及び、大英連邦諸国です。

単にイギリスだけではなくて、大英連邦もその対象となっているわけです。

そして、香港には香港生まれの人、300万人が住んでいます。

その300万人に対して、イギリス政府は、在外市民権を与えるとし、将来的なイギリス市民権獲得に向けての道を開く、としたわけです。

イギリスにはイギリス国民、英国市民と、英国、大英連邦の様々な国々。

在外市民という2種類の市民権があります。

在外市民というのは、イギリス人ではないが、大英連邦の市民の一人である、というもので、外から見るとイギリス人。

中から見ると外国人。

という構造になっているわけです。

しかし、これによって香港に300万人のイギリス市民が生まれた、という事になります。

イギリスは、このような市民に対して、邦人保護の義務を負っています。

イギリス人を守る義務が、イギリスにはあるわけです。

その上で、この邦人保護は、単にイギリスだけの問題ではなく、大英連邦諸国全体の問題でもあるわけです。

5アイズと呼ばれるカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、など大英連邦、イギリスのエリザベス女王を冠に持つ国々が連携してこれに当たる。

そして、5アイズとの直接的な軍事同盟関係にあるアメリカが、これをバックアップする。

つまり、アメリカ、イギリス共に、香港に軍を派遣する大きな理由を作った、とも言えるわけです。

この後、どのような事が起きるかは分かりませんが、いつでも戦争が出来る準備は進んでいると言えるでしょう。

香港国家安全維持法は日本に与える影響

この問題について、日本政府は直接的な当事者ではありません。

一国二制度に直接関わっているわけではないわけです。

しかし、当然、日本企業の企業活動等にも大きな影響がある、という事は明確であり、これは香港だけの問題でも無いわけです。

日本企業の多くは、香港という金融センターを利用して、決済を行い、日本から香港。

香港から中国。

という三角貿易を行ってきました。

香港が失われる事により、日本企業にとってこの中国との窓口を失う事にもなり兼ねないわけです。

これに対して日本政府は、「遺憾の意」を示し、結果、中国政府のこの対応について、批判をしています。

また、習近平国賓来日の前提条件が崩れた、ともしているわけです。

今後、8月にも開かれる予定のG7において、アメリカ、イギリスと共に、日本もなんらかの行動を取る可能性が高いと言えるでしょう。

 
 
 

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