中国が進めるデジタル人民元構想の正体と狙い!渡邉哲也

SWIFTコードとは

このSWIFTコードというのは、

○○国の○○銀行○○支店というものを表す銀行コードと、それを利用した送金の仕組みになるわけです。

現在G20等、世界の金融当局は、このSWIFTの仕組みを使い、FATFという金融機関によって、不正な資金の出入りがないかチェックしているわけです。

世界の金融の流れは、このSWIFTによって移動する資金の動きをチェックする事で成り立っているわけです。

そしてアメリカ等の金融制裁の対象になると、このSWIFTコードが廃止・凍結されます。

そうなると郵便番号が無い状況になる為、送金が出来なくなる…

これが金融制裁の仕組みであるわけです。

中国も国際間の決済においては、これまでSWIFTを使ってきました。

しかしアメリカが制裁をかけた場合、このSWIFTが使えなくなる可能性が高くなったわけです。

この為、中国は中国オリジナルの金融決済の仕組み、CIPSというもの利用を促進するというとしているわけです。

CIPSを利用した場合、SWIFTによる国際間の金融決済の監視が出来なくなります。

つまり不正な資金の移動を、アメリカ等西側の国々がチェック出来なくなる事を意味します。

その結果、必然的にアメリカ等はCIPSを使う銀行に対して、金融制裁をかけ、アメリカのドル決済の輪から外していく事になるでしょう。

これと連動して動くのが、デジタル人民元と一帯一路という事になります。

中国は一帯一路を通じて、人民元の直接決済・直接両替・送金が出来る仕組みを世界中に拡げようとしてきました。

一帯一路は人民元だけで融資を行う。

この仕組みの為に必然的に、そこには決済の仕組みがついてくるわけです。

その上で現在、デジタル人民元を普及させようとしています。

このデジタル人民元という仕組みですが、SWIFTが専用の回線を使って外から入れない安全な環境を構築して作られているのに対して、このデジタル人民元は、ブロックチェーンという方式を採用し、一般のインターネット回線を使う事によって、安く、早く、自由に資金が移動出来るというものになります。

専用線の場合、専用線を維持する為に膨大なコストが掛かり、それに対して、ブロックチェーン技術を利用すれば、通常のインターネット回線が利用できる。

そしてブロックチェーンの場合、第三者が後から追跡する事が出来る為に、そこに安全性が守られている…という考え方になるわけです。

これは全く正反対の考え方でありますが、ブロックチェーン技術を使った方が安価に自由に拡げる事が出来るのは間違いがないわけです。

これを利用し、世界中の国々と中国は独自の決済網を作り、そして中国の自由になる金融の世界を作ろうとしていると言えるでしょう。

しかし、それを行った場合、当然、西側の国々と遮断されていく事になります。

ここにおいて、金融の面においても、中国を選ぶのか、アメリカを選ぶのかという二者択一になるという事が想定出来るわけです。

そして、あくまでもデジタル人民元にしても、中国が構築するブロックチェーンの仕組みにしても、これは決済の手段にしか過ぎません。

人民元そのものの価値が失われてしまえば、決済手段を持っていたとしても、決済が成り立たなくなるわけです。

現在のドルの裏付けは、世界の穀物市場…これがドル建てである。

アメリカは世界最大の穀物輸出国である。

そして石油、原油の決済は全てドル建てで行われている。

この資源による裏付けがあるというのがドルであり、人民元にはそれが無いわけです。

現在の人民元は香港ドルを通じてアメリカドルが裏付けにあるから成立しているのであり、この様に中国が求める完全な独自通貨『デジタル人民元』を進めようとすればするほど、人民元の価値が失われていく事になります。

しかし香港問題によって、これを強制される可能性が出て来たワケで、中国としてはデジタル人民元決済の普及を急いでいるという構図になっているわけです。

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