仮想通貨を理解してない竹中平蔵!日銀総裁も知らないお金の真実!ビットコインに騙されない方法!中野剛志

目次

富国と強兵 貨幣とは何か?

こちらは富国と強兵という本の第1章から第3章までを参照して、今日はご説明を申し上げたいと思います。

この本は、実は4章以降が面白いんですけど、いつも第3章まででよかったねといわれるので、たぶん途中で挫折されているのではないかと思うのですが、1章から3章までで貨幣とは何かっていうことについて書きましたので、ちょっとそこのところをご紹介いたしたいと思います。

ビットコインの正体と出川哲朗ヤバいよヤバいよ

昨今、ビットコインとか仮想通貨が流行っておりますので、その仮想通貨の話を皮切りにしようかなと思っております。

スライドをご覧いただきますと、私も今日の勉強会を仰せつかるので、ちょっと調べてびっくりしたんですけど、こちらの緑色がビットコインの取引に占める日本円の割合でして、2017年以降急に、もうほとんど半分、ある場合によっては半分以上、日本人がビットコインを買っているという凄い事になってまして。

出川哲朗っていうのは影響力っていうのはすごいなあと、ヤバイよヤバイよと思ったんですけれども、そうとうやばいんですけども、こういうことになって飛びついているということですね。

仮想通貨の代表がビットコインなんですけど、ビットコインってどういうものがちょっと調べてみたんですけど、これはいわゆる金貨とか銀貨とか、金属貨幣っていうのをモデルにしてるんだなというのが分かります。

どういうことかと言いますと、ビットコインというのはマイニングで、まさにマイニングって採掘という意味なんですけど、コンピューター上の難解な数理処理を解くと、その報酬としてビットコインが得られると。

ただまあそんなことができる人間は限られているので、普通は取引所を通じてビットコインというものを手に入れるということになっているそうです。

これはまさに、例えば金貨とか銀貨っていうのは大雑把に言いますとまあ、鉱山の採掘で金山を掘って金を手に入れるというような感じですけど、誰でも金山とかを掘れるわけじゃないので、普通は買いますねという、それと同じものを模しているんですね。

金貨とか銀貨、特に金貨は、金山ってどこにでもあるわけじゃなくて希少性が高いから金属なわけですが、ビットコインも同じように発行上限っていうものがあって、発行量が増えると、またその発行上限をそもそもある上に発行量が増えると、掘るのが難しくなるような、巧みな仕組みになっているようです。

従ってビットコインを欲しい人が増えると希少性が高まるので価値が上がるという仕組みになっているようで、これはネットでググったら出てきたんですけど、今私は書き加えたんですけど、赤い点々のところが今年で、まだ、だから掘れるんですね。

ただ発行量はだんだんなくなって頭打ちになるというようなことです。

まさに金貨とかと同じような仕組みで、それで希少性があるので皆取引をしているということになります。

ビットコインの問題点と信用性

ビットコイン、仮想通貨の問題というのは、例えばハッキングをされて漏れてしまったとか、あるいは投機性があって高騰したり暴落したりするとか、いろんなことが言われているんですけれども、もちろん、いろんなことが問題なんでしょうけど、そういった問題もある程度、技術とかいろいろなことで解決する可能性もあるのかなと思っているんですけど、

問題は仮想通貨っていうのは、これは貨幣なんですかと、誰でも思うようにですね。

このビットコインというのは、掘りにくくなるから価値が高いといったって、結局それは一体何に裏打ちされているんだ、というのは結構疑問なわけですね。

従って、このビットコイン、仮想通貨っていうのは何かということを考えると、貨幣というのは何か、というのが分かってくると。

さっき申し上げたように、ビットコインはある意味金貨の仮想金貨、というような感じがします。

仮想通貨を積極的に推奨する竹中平蔵

画像出典:bunshun.jp

この仮想通貨というものを積極的に推奨する方々というのはおられまして、例によって、例によってというのもまずいですけど、竹中平蔵先生。

未来投資会議の議員で慶応大学名誉教授、パソナグループ取締役会長というのも付け加えておりますけれども、ネットで見てましたら竹中先生がここに書いてあるようなことを言っておりまして、要するにUBERやAirBnBとかと同じだと。

要するに、ITの技術によってこれまで国のお墨付きが必要だったものが国のお墨付きなしでできるようなったサービスというのがありますが、それと同じですと。

これまでは国や権威のお墨付きがないと、お金っていうのは安心できなかったんだけど、新しい技術を駆使するようになってそれができるようになった。

仮想通貨を推奨するスティーブ・ジョブズの盟友

画像出典:YouTube

UBERとかAirBnBと同じイノベーションなんだというふうに認識をされているということであります。

もう一人、これはあのアップルの共同創業者、スティーブ・ジョブズの盟友ですけど、コンピュータ・エンジニアのスティーブ・ウォズニアックという有名な方がおられますが、このウォズニアック氏もこの仮想通貨のファンでして、彼に言わせるともうビットコインは金とかドルよりも全然いいと。

どうしてかっていうと、彼に言わせると、金は採掘技術が進歩すればそのうち供給が増えたら価格が下がってしまう。

米ドルは、中央集権的な権力が勝手に作っているので、裏打ちもない中、勝手にすごいインチキの類だと言っていて、まあいくらでも作れちゃうじゃないかと。

ビットコインというのはさっきご説明したように、予測可能な有限性があるという意味で、金や米ドルより優れていると。

ここまで言っておいて買っているんですけど、ニュースによると最近盗まれちゃったらしくてね。

仮想通貨を推奨する東浩紀

画像出典:

もう一人ご紹介しますと、この東さんという方は、最近コインチェック、仮想通貨の流出の問題があって騒ぎになりましたけど、その直後に アエラに書いてあったコメントです。

彼も、仮想通貨ってのは素晴らしいと、これまで通貨っていうのは信頼によって成立しているんだけど、その信頼を支えるのは中央銀行だったと。

ところが今度はそういう中央銀行のような権力に頼らなくても、誰でも通貨が発行できる。

これは画期的で、社会のあり方を根底から変える可能性を秘めているんだけれども、今回のような、仮想通貨をめぐるいろんな問題というのは、そういう技術は素晴らしいけれど肝心の人間がうまく使えてないという、実に残念な事実ではある、というふうに、このようにコメントをされています。

東浩紀の根本的に間違った貨幣観

今の竹中先生、あるいはウォズニアック、それから東さん、この3人は、3人ともいろんな言い方をしていますけど、ひとつ共通しているのが、国家権力なしで通貨が発行できるという、無政府主義と言ったら言い過ぎですけど、そういう未来社会を、ITのイノベーションによって実現できるんだというような夢を語っておられるということです。

ただ、3人とも言い方が違うんですけど、ただちょっと東さんは誤解があるなあと思うのは、こうおっしゃっているんですけど、要するにブロックチェーンという技術で、中央銀行のような権力に頼ることなく誰でも通貨が発行できるとおっしゃるんですが、よく考えてみると誰もが通貨を発行して次々と流通していくと、通貨の価値というのは暴落するので、ハイパーインフレになってしまいます。

要するに、誰でも発行できる通貨というのは誰も欲しがらないという、当たり前なんですけど、それが実に残念な事実ということで、技術的にどうこうとか、人間が追いついてないとかいうことではなくて、そもそもこの方の貨幣観というのはなにか根本的に間違っておられるなあという感じなんですけど。

何も分かっていないスティーブ・ジョブズの盟友

まあ普通はこうなるので、従ってビットコインは発行上限が、さっきご紹介したようにあったわけで、そこで希少性を担保して価値を高めているという仕組みになっておるんですが、その発行上限、予測可能な有限性とウォズニアックが讃えたこの問題、これはこれでまた、ハイパーインフレにはならないんでしょうけど、別の問題がございまして。

ウォズニアックさんの誤解は何かというと、ビットコインというのは需要されればされるほど価値が上昇するんですが、貨幣価値の上昇っていうのは、裏を返すと物価の下落ということで、要するにこれはデフレなんですね。

要するにビットコインというのは予測可能な有限性があるがゆえに、デフレを招くということです。

これは実際にこういうことっていうのは起きていて、さっきビットコインは金貨を模した、金貨の仮想じゃないかと申し上げましたけど、昔、金本位制っていうのがあったわけで、その金の量というのを足枷にして金を紐付けて貨幣の価値を担保してた時代があったと。

当然金というのは有限なのでそこで価値が担保されるんですけど、それでデフレっていうのが起きちゃうんですね。

要するに、貨幣需要が高まっても、貨幣の供給がその世の中の貨幣需要と関係なく、金の量に制約されるのでお金が不足すると。

お金が不足すると、お金の価値が上がるので、みんなお金に殺到するということです。

世界恐慌を引き起こした原因とデフレを防ぐインチキ

世界恐慌、まさにこれは大デフレ不況だったわけですけど、世界恐慌の原因、あるいはそれが深刻化した原因は、この金本位制にあったと言われていて、世界恐慌からの脱出というのは、金本位制から離脱して、貨幣を金と紐付けないで、どんどん流通させたので貨幣不足がなくなって。

貨幣の価値が下がる、つまりデフレからインフレに転じたので、世界恐慌から脱出したということなんです。

そうするとウォズニアックは、米ドルは供給量を勝手に増やせるからインチキだと言ったんですが、実はインチキであるおかげでデフレを防げるんですね。

資金需要が出てきたときにはその金と関係なく勝手に米ドルを増やすことができた、できるので、デフレを防げる、デフレから脱却もできるということになります。

だからまあ、このウォズニアックさんは何もわかっていないということなんですね。

デフレとは一体何か?

そもそもじゃあデフレとは何かを改めておさらいしますと、デフレというのは継続的な物価の下落、つまり貨幣価値の上昇ですから、お金の価値が上がるっていうことなので、人がお金を、物を買うよりもお金を欲しがる、物よりもお金を欲しがる状態、要するにお金の価値が上がるので、お金を使わないでためておくということになります。

お金の価値が上がるというのは何が悪いのかというと、みんながお金を使わなくなってお金を貯めていくので、消費をしなくなる。

そうすると仕事がなくなっていくので、皆消費しなくなるとマーケットは小さくなるので、今の世代が貧困化します。

それから当然、投資もしなくなります。

特に銀行からお金を借りて投資をするということはまずしなくなります、お金を使うのもったいないし、デフレで貨幣価値が上がりますと、後で借金を返済するときに借金が膨らんでいるという状態になりますから、誰も使わない。

企業の内部留保が膨らみ日本が経済成長しない理由

今その企業が内部留保をため込んでけしからん、使わせろという話になってますけれども、これはちょっと情状酌量の余地というものがあって。

デフレの時は投資できないし、誰も消費をしてくれないから物も売れないので、お金の価値が上がっている、つまりデフレの時はお金をためる、貯蓄するっていうのは、経済合理的な行動なんですね。

だから内部留保をためているのががけしからんというのであれば、デフレを脱却しなきゃいけなくて、デフレの脱却っていうのは、これは民間だけじゃどうにもならない。

お金の価値が上がっているのに誰かが馬鹿みたいにお金を使うということがないといけないんですけど、そんなことはできないので、従ってデフレの時の内部留保というのはしょうがないと思います。

デフレの原因というのは、貨幣価値が上昇している、つまり貨幣供給が不足しているということなので、デフレ対策というのは貨幣供給を増やせばいいわけです。

そうすれば、お金の価値が上がりだすと、今度はお金を使わないともったいないと。

お金を持ってても貨幣価値が下がっちゃう、したがって消費もするし投資もする、これが経済成長っていうものです。

したがって経済成長というのは、普通はまあ、あまりひどいインフレだと話は別ですけど、マイルドなインフレを伴っているのが普通であります。

日本というのはずっと経済が停滞しているのは、デフレだからだということであります。

そうすると、じゃあ貨幣供給を増やせばいいんだねということなんですけど、問題は貨幣ってのはなんだっけ、ということなんです。

誤解されている商品貨幣論 お金誕生話の間違い

ここで問題、よくある貨幣観っていうのはこれで、商品貨幣論。

つまりさっき申し上げた金貨と同じ発想なんですよね。

仮想通貨もこの商品貨幣論に立ってるんですけど、貨幣ってのは何かというと、もともとこの勘違いはすごく広まってるんですけど、もともと交換っていうのは原始的にもともとやっていて、原始的な時代は物々交換をやっているとその交換が不便なので、金で交換してましたけど、そのうち金だと面倒くさいので紙幣になりました、みたいな。

最近になるとそれがで電子マネーになりました、みたいなですね。

こういう議論というのはとても人口に膾炙(かいしゃ)していて、子供なんかみんなこう思ってまして、大人でもついついこう思っているということなんですけど。

じゃあ紙幣というのは何のために、あの紙っぺらは何のためにあるかというと、最後は貴金属との交換が保障されてるから、金本位制がこの考え方なんですね。

ところがこの考え方は我々はもう間違いだって本当は知っていて。

なぜなら米ドルは1970年以降、金との兌換が停止されてますけども、国際通貨として流通されて、し続けてますし、歴史を紐解いてみますと、例えばイギリスも19世紀、一時期、金との交換を停止してた時期があったんですけど、その間ポンドは使われなくなったかというとむしろ逆で、ポンドが国際通貨としての地位を確立したのはその時だったんですね。

貨幣が物々交換から生じましたっていう事実は、どうも人類学とか歴史学の方々は誰も見つけられていないということで、そもそも貨幣がそもそも物々交換から始まって、みたいなそういうストーリー自体が実は間違いだということになっております。

正しい信用貨幣論 お金の本当の正体

じゃあ貨幣とは何かといいますと、正解はこちらでして、こちらはイングランド銀行の季刊誌が現在、現代貨幣における経済における貨幣の入門というのを出していて、これなんか動画でも出てましたので、やっぱりさっき申し上げたようなのは商品貨幣論というのが根強いので、それ違いますよという啓蒙に走ってるんですけど。

商品じゃなければ何かというと、イングランド銀行のこの解説はこう書いている。

貨幣というのは負債の一形式であり、経済において交換手段として受け入れられた特殊な負債であると。

どういう意味かっていうと、要するに、負債、借用証書、お金というのは。

その負債を他の人に渡して、最後それは負債なので誰かが返してくれると、そういうものが貨幣だと。

貨幣っていうのは、その共通の計算単位で表示された負債のことだと、その共通の計算単位とは例えば円とかドルとかポンドだということなんですね。

そうすると、このイングランド銀行の話が正しいとすると、その負債つまり借金、債務、負債が貨幣だというなら、じゃあ負債は誰でも負うことができるので、誰でもお金が作れるじゃんということになっちゃうんですけど。

確かに負債は誰でも作れるんですけど、問題は「俺の負債、これ貨幣だから使って」といっても誰も使わないわけですね。

それは当たり前で、なんて使わないかというとデフォルトの可能性、返済不能という可能性があるので、デフォルトの可能性がない、あるいは極めて低い特殊な負債だけが貨幣として流通するということになります。

結論から言うと、そのようなデフォルトの可能性が極めて低い特殊な負債として使われている貨幣は、現代においては現金通貨すなわち中央銀行券と鋳貨、お札とコインですね、それから銀行預金。

現金通貨と銀行預金、この2つということになっています。

現金通貨と預金通貨

あとで申し上げるように、ポイントはいわゆるお金という現金通貨に加えて銀行預金が貨幣として定義されているということなんですけど、これが重要で、貨幣っていうのは現金通貨と銀行預金のこと、これは定義上そうなっているんですけど。

なんで銀行預金が貨幣ってことになっているかというと、事実上、給料の振込や貯蓄に使用されているので、もう銀行預金っていうのは貨幣なんですね

貨幣の定義のうちほとんどを占めるのが実は銀行預金で、全体に占める現金通貨の比率はごくうわずかです。

とはいえ、最終的な銀行預金というのは現金を引き出せる、現金通貨の根幹が保証されてえいるわけで、それで銀行っていうのは預金の引き出し、急に引き出しをされたときにないっていうんじゃ困るので、中央銀行、日本では日銀に一定額の準備預金っていうのを設けていて、急な預金の引き出しの時に対応できるようにしている。

これは法律で決まっています。

どこの国でもあるんですけど、日本の場合は日銀当座預金というのを民間銀行が中央銀行に設けているということになります

そうするとじゃあ、その銀行預金というのはまあ最後、現金にもなるんだということであれば、じゃあ現金通貨っていうのは何との交換が保証されているんだ、何に裏打ちされているんだ、何で価値があるんだ、なんで現金通貨っていうのはみんなが価値があるものと思って支払いに使っているんだということがポイントになっていきます。

で現代貨幣理論という理論があるんですけど、現代貨幣理論は、これと租税と関係していると。

通貨はなんで支払い手段として受けられているのか、通貨の価値は何で保障されているのか。

これは、国家が 国民に納税義務を課して、それを納税義務をちゃんと果たしたと示すのに、通貨を支払えばいいと、通貨を納めればいいというふうに決めているからなんですね。

要するに通貨というのは自分に課せられた納税義務を解消するという価値があると。

従って、みんな通貨っていうのは価値があるものとして使っていると。

通貨は租税の支払い手段として使われるんですけど、それで価値があるので租税の支払い以外でも使うようになったと。

要するに取引ですね。

売買それから貯蓄、これにも使われるようになった

これが実は通貨というもののカラクリだということで、従って通貨の価値は何だ、貨幣の価値は何だと、掘って掘って掘っていくと行き着くのは実は徴税権を有する国家権力というのが通貨の価値を究極的に保証してたんだという、こういう理解になります。

竹中平蔵は仮想通貨を理解していない

これが現代貨幣理論の理解なんですけど、これでいきますと竹中先生がそこを誤解されていて、竹中先生は仮想通貨は基本的には今出ているUBERやAirBnBと基本的に同じですと言ってるんですけど、UBERやAirBnBというのは要するにサービス業です、サービスなんですけど、

仮想通貨というのは基本的にサービスと同じです、商品と同じですとおっしゃってるんですけど、おそらく竹中先生の貨幣論っていうのはおそらく商品貨幣論になっちゃっていると。

つまり、貨幣というのは負債です、というような話になるとそのUBERやAirBnBと同じですというふうにはならないはずなので、おそらく竹中先生は間違えてるんですね。

竹中さんは、UBERやAirBnBが旅館業法とかそういうのと関係なくできるようになったというのと同じように、

国や権威やお墨付きがなければ安心できなかった、だけど新しい技術で国や権威やお墨付きがなくても安心して使えるようになったと言ってるんですけど、いや、なってないと、なってないんです。

やっぱり国や権威やお墨付きがなければ安心できないというのが、現代貨幣理論ということで、その徴税権のある国家というのがないとダメだと。

だから、国家が崩壊して徴税権がまともになってないところでは、通貨というのも混乱をするわけですね。

通貨と財政赤字の現実

先ほどの通貨というのと税金というものを組み合わせた考え方でいくと、現代貨幣理論は恐るべき、世の中の常識とはかけ離れた、かけ離れてるけど正しい議論をするようになります。

通貨っていうのは何かというと、もともとその租税の支払い手段なんだけど、みんなその租税の支払い手段で価値があると思うので用い、それを取引に使ったり溜め込んだりするんですけど、そういうふうに通貨を納税以外の用途のために持って世間に流しておくためには、通貨を税よりも多く流しておかなきゃいけないわけですね。

全部税で回収しちゃってなくなったら、お金が世の中から消えてしまうので。

したがって財政支出というものが税収より多くないと、税の支払い手段以外の用途で通貨が使われない、通貨が流通しないということになります。

そうすると、恐るべきことに正常なケースは政府が財政赤字を運営していることだと。

つまり財政赤字を政府が持っているって事は、危険なことかおかしいこととか異常なことでなくて、むしろ正常なことだと。

要するに、税によって徴収する以上の通貨を供給しているということは、別に普通のことなんだという結論が出てまいります。

こういうふうに現代貨幣理論というのは、えっというような議論をするわけですけれども、もうひとつ、先ほどのイングランド銀行は、信用貨幣論というのを言っているわけですよ。

預金通貨の創造

もうひとつ、現代経済における貨幣の創造っていうのも啓蒙活動として発表したり動画で言ってるんですけど。

先ほど通貨っていうのは現金通貨と預金通貨と言いましたけど、預金通貨っていうのは誰が作っているのかと、普通は、ここに×で書きましたけど、一般的にはよくこう思われています。

銀行っていうのは、企業や個人が貯蓄するために設けた銀行預金を原資として貸し出しを行っていると、銀行が企業や個人から貯蓄を集めてそのお金でどこかの企業に貸し出しを行っていると思われてるんですけど、実はそうではない。

そうではなくて、実は逆で、銀行が貸し出しを行うと、あとから銀行預金が生まれる。

要するに、銀行がA社の預金口座に1000万円を振り込む、貸すためには、手元にあるうん億円の中から1000万円を銀行がA社に振り込むのではなくて、極端なことをいえば手元に全く、銀行の手元に全くお金がなくても、A社がお金を1000万貸してくださいと言ったら、はいわかりましたと言って預金口座に1000万円と書けば、その瞬間に預金がポンと出るというのが、実は銀行の仕組みです。

これは有名な経済学者のジェームズ・トービンという人は万年筆マネー、要するに、銀行員が万年筆で1000万って書けば、いきなりお金がボンと出るというふうに、万年筆マネーと言ってます。

普通の一般の人にはとても信じがたいんですけど実は銀行ってこうなっているということで、中央銀行の方とか、銀行の方とかは実はご存知の話だと思いますが、銀行って実は元手となる資金の量に制約されないでいくらでも貸し出しすることができるんですね。

実はその産業革命の頃、その前に、イギリスでこの制度が出来上がったのでそのあと産業革命が起きたと言われています、いくらでもお金を調達できるようになったので。

ただ、銀行が元手となる資金の量に制約されずに、書けばお金が貸せるといっても、じゃあいくらでも書けばいいのかといえば、そういうドラえもんみたいな世界のようにはさすがにならなくて。

どうしてかというと、1000万円って書いても返ってこないことがあるので。

実は銀行、自分の手元の資金量には制約されないで貸し出せるんですけど、借り手、企業とか個人とか相手の、借り手の返済能力には制約されます。

したがって、貸し出し、つまり銀行はいくらでも預金通貨、お金を創造できるんですけど、制約があると。

その制約というのは借り手の返済能力だということになります。

これが実は重要なポイントで、複雑な話になりますけど、この点はちょっと抑えておいていただいて次の話に移ります。

黒田日銀総裁の異次元緩和のデフレ脱却の失敗

銀行っていうのは預金の引き出しに備えて中央銀行に一定額の日銀当座預金というのを設けている必要がございます。

いわゆる黒田日銀総裁がやっている異次元緩和といってますが、量的緩和というのをずっとやってます。

この量的緩和っていうのは簡単に申し上げると何のことかというと、銀行が先ほど申し上げた日銀に開設した日銀当座預金っていうの増やす、という政策なんですね。

これはよく誤解されるんですけど、日銀当座預金を増やすと、それで日銀は貸し出しの原資が増えたので積極的に貸し出しをし始めてお金が市場に回るんだと、よくこういう誤解があるんですけども、これもイングランド銀行がそれが違うというふうに言っておりましたけれども、銀行は日銀当座預金を原資として貸し出しを行うわけではありません。

そうではなくて、先ほどご説明したように逆で、借り手がいないとお金というのは増えないので、日銀当座預金をいくら増やしてもらったところで、世間に借り手がいなければ銀行はお金を貸し出すことができないんですね。

借り手が逆に、借り手がいないってことはさっき申し上げたように、デフレだと借り手がいません。

デフレだと、借金をすると損をするので誰も借金しない。

したがって、デフレだと借り手がいない、借り手がいないと貨幣供給は増えない、銀行預金は増えない、貸し出しは増えない、ということなので、デフレの時にいくら日銀当座預金を増やしてもどうにもならないんですね。

だから量的緩和をしたけれども、いくらしても、340兆円くらいやったんですかね、やったけれども物価が全然上がってないのはそのためなんですね

逆にこうなんです、逆に例えば景気が良くてインフレになって借り手が増えると銀行預金が増える。

借り手が増えると通貨量が増えるので、そうすると、預金が増えると万一の引き出しに備えて一定比率を日銀当座預金に積んでおかなきゃいけないのは義務なので、借り手が増えて銀行預金が増えると日銀当座預金が増えるので、順番がそういう順番なんです。

ところが日銀当座預金が増えれば銀行預金が増えて借り手が増えて、とかこれは逆なんですね、それは、逆は起きないんです。

デフレで借り手がいなければ、日銀当座預金は増えないんで、したがって、インフレが日銀当座預金を増やす、これは言えるんですけども、日銀当座預金を増やすとインフレが起きるとは言えない。

だから量的緩和ではデフレから脱却できない。

この量的緩和でデフレから脱却できるという考え方の勘違いは、さっき申し上げたように、信用貨幣、すなわち、銀行が元手を貸しているんではなくて、元手がなくても借り手がいればお金は貸せるっていう、これを理解してなくて逆に考えているので、量的緩和っていうのでデフレから脱却できるという間違えちゃったということなので。

したがって、貨幣っていうのは何かっていうのを知っておくってことがいかに重要かと。

ビットコインにだまされないということもあるんですけど、量的緩和ってものがなんで効かないのかっていうことをちゃんと信用貨幣というものを理解している人はもう、量的緩和をやる前からこの結論穴は見えてたですね。

債務残高のGDP比国際比較 日本の財政破綻の嘘

もう一つ、ここで財政が関係してきます。

画像出典:zaisei

これは有名な財務省ホームページにも出てましたけど、GDP比の債務残高の国際比較で、
例によって日本は先進国で断トツに高い、ついに230%になってしまいました、とかなんか言ってるわけですね。

だから危機的だというんですけど、ギリシャとかイタリアとかもっと危機的なところよりも、さらに債務残高、GDPの債務残高がでかいので。

これを見て、ギリシャやイタリアよりも大変だと思うのではなくて、なんでギリシャ、イタリアは日本よりもはるかに債務残高、GDPの債務残高が低いのに、ギリシャやイタリアのほうが先に慌てているのか、っていうことを考えなきゃいけない。

要するに債務残高、GDPの債務残高って、財政危機は関係ないっていうことなんですけれども。

でもまあこの数字を見て皆慌てるわけですね。

じゃあ財政再建というのがなぜ必要というふうに言われているのか。

財務省の財政制度等審議会は、財政健全化に向けた基本的考え方っていうのを出していろいろ書いているんですけれども。

さっきの図表にあるように、諸外国と比較してもわが国の債務は他に類を見ない数字まで累増しているが、ここの赤字に書いてあるように、じゃあなんで今までは大丈夫なんですかというと、今までは家計とかが金融資産を潤沢に持っていて企業が資金余剰を持っていて、国内の資金環境が、国内が資金余剰なので大丈夫だったと。

だけどこのような好ましい国内の資金環境っていうのが将来にわたってずっと確実に維持されるわけではないと。

したがって、いつかはやばくなるので財政再建が必要だと、こういうふうに言っています。

これはよく言われる話で、なぜ日本がGDP比の債務残高が高いのに財政危機だとか言って慌てなきゃいけない状況に、今の瞬間はないわけですね。

その理由は、民間の金融資産がたっぷりあるからだと、余っているからだとずっと言われてきた。

内政健全化の間違った考え方 国の借金で民間が潤う

財政制度審議会はそれが将来なくなったらどうするんだよというふうに警鐘を鳴らしているんですけど、ところがこの財政健全化に向けた基本的考え方というのは基本的に間違っておりまして、何が間違ってるかというと、さっき申し上げたように信用貨幣論によると、銀行の預金というのは銀行の貸し出しの制約になってない。

つまり、民間の金融資産がいくらあるかどうかっていうのは、政府がいくら借りられるかと関係がないないんですね。

というのは、銀行が国債を購入すると政府の預金が増えて、その国債増発によって増えた資金を政府が支出して民間に流すと民間の金融資産はそのぶん、増えるんですね。

つまり国が借金、政府が国債発行して借金をすると民間の金融資産が減るんじゃなくて、増えるんですよ。

民間に潤沢な資産があって、国債で国が借金したら、お金が吸い上げられるのではなくて、政府が借金をすると民間の金融資産が増えるんですね。

国の借金で民間が潤う仕組み

したがって、先ほどの現代貨幣理論のレイ先生はこう言っていて、政府の赤字がそれと同額の民間部門の貯蓄を創造するのだから、政府が貯蓄の供給不足に直面することなどありえないと、彼もそう言っているわけです。

もう少し詳しく説明しますと、さっき申し上げたように、銀行はその企業がお金を借りたいと言ったら、わかりましたと言って企業の口座に記帳をすれば、1000万と記帳すればいきなりお金が出るんですけど、政府の場合は、政府は民間銀行に口座は持っていないです。

どこに持ってるか、日銀に口座を持っているのでちょっと仕組みが違うんですが、基本的に同じです。

ちょっと違うんですけどどういう仕組みかというと、こういうふうになっています。

まず①からいきますと、銀行が国債を買うとすると、銀行保有の日銀当座預金っていうのが、政府保有の日銀当座預金勘定に振り返られると。

これで銀行が国債を入手して、購入代金が政府の日銀当座預金勘定に入るということになります。

そうすると②で、政府は例えば公共事業を発注するので建設会社とかに政府小切手で支払いを、例えば1億円とかでします。

そうすると次に企業は、政府から受け取った政府小切手を取引銀行に持ち込んで代金の取り立てを依頼します。

④、小切手を持ち込まれた銀行は、その小切手相当額を銀行の口座に記帳します。

ここでお金がボンと、例えば1億円って書くと1億円ボンと出る、あるいは10億円と書くと10億円ボンと出ると。

ここで貨幣が供給されるんですよね。

新たなマネーがここで創造されて、貨幣の供給量が増えたんです、ここで増えた。

同時にこの銀行は、日銀に代金の取り立てを依頼します。

そうすると⑤ですけど、代金の取り立てを銀行から依頼された日銀はどうするかというと、政府保有の日銀当座預金が、銀行の日銀当座預金に振り替えられるということになります。

そうするとここで日銀当座預金って、銀行の日銀当座預金って戻るんですね。

戻って来るので、ここで戻ってきた日銀当座預金でまた国債を購入できるので、①にいけると。

したがって、ここであるように、国が借金をしたら民間の金融資産が減ってないで、むしろ増えてるんですね、しかもこれいつまでをグルグルグルグル回れるので、政府がお金を、借金をしすぎてお金がなくなっちゃったなんてことはありえなくて、グルグル回る。

しかもグルグル回るたびに④のところで、銀行が企業の口座に記帳するたびに貨幣が増えていく、貨幣が供給される。

これはいくつかインプリケーションあって、まず、国債発行に資金的な制約はありません、ということです。

これは銀行が企業に貸す時に銀行の資金的な元手の制約はないと申し上げまして、それと同じです、国債発行には資金的な制約はありません。

財政政策は金融政策

第二に、財政政策と呼ばれるものはこうやって見ると貨幣の供給量を増やしていますので、実は財政政策って金融政策なんですね。

さっき、量的緩和をやっても貨幣は増えない、っていうことを申し上げましたけど、実は財政出動をやると貨幣が増えるので、実は貨幣供給量を増やす政策っていうのは財政政策、要するに国債発行、財政赤字が通貨供給量を増やして、貨幣不足を解消する政策だったという、こういうことなんですね。

日銀黒田総裁も理解していない信用貨幣論

画像出典:東洋経済オンライン

この事がほとんど理解されてない、言われていないのは、貨幣とは何かっていうのが、信用貨幣論という理解がないからわからなかったと。

へたすると、あまり言うと怒られますけど、財政制度審議会とか通貨の番人である日銀総裁ももしかしたら通貨が何か分かってなかったとしたら、分かってないで何を番してたんだろうっていうことになるという。

実は恐ろしい、でもこのくらい恐ろしいことがない限り、20年も経済が成長しないなんてことはないんですよ。

さっき先生がおっしゃったように、日本だけが成長しないっていう、それはよっぽどおかしいことをしなければこういうことにはならない、ではよっぽど恐ろしいことをやっちゃってるということなんですね。

そうすると、まとめると上からこうなんですよ。

20年も経済成長しない日本の異常性

財政赤字を拡大する、公共投資を拡大でも社会保障費を膨張させるんでもいいんですけど両方とも悪いことってことになってますけど、そうすると政府の借金が増える、要するに負債が増えるんですけど、負債というのはさっき申し上げたように貨幣なんで、貨幣の供給量が増えるわけです。

そうすると貨幣の価値は下落する、つまりインフレが起きる。
インフレが起きると消費や投資をしないともったいない、貯蓄してるとアホだということなので、皆せっせと消費や投資をするので経済が成長する。

経済が成長するとおそらく税収が増えるので、この段階で財政赤字が縮小するんじゃないですかね。

だからいつまでもやる必要はないんです。

インフレになって経済が成長すれば、放っておけばもういいんです。

そうしたら、公共投資の拡大とか要らなくなるんでしょうということです。

日本人を貧乏にして潤う政治家と役人

じゃあ逆、今やっていることは何かというと、財政赤字の削減をやらなきゃいけないと焦って、増税をやったり歳出削減をやって、政府の借金を減らすんだと言ってるんですけど。

その負債っていうのはお金なんで、負債を減らすんだということは、これ言ってる人は意味わかってるのかどうかよく知りませんけど、負債を減らすということは貨幣供給量を減らすということなんで、これはデフレを起こすと言ってるんですね。

財政赤字の削減というのはデフレを起こすことなんです。

そうすると、デフレになると消費や投資が縮小するので、経済が停滞していき、企業が内部留保をため込んで、みたいな感じになる。

経済が停滞すると税収が当然減るので、財政赤字はおそらく拡大するということになります。

財政悪化なくして財政再建なし

だから財政赤字の削減の努力が、財政赤字を拡大させ、財政赤字を拡大させると財政赤字が縮小するということは、政府、与党に掲げていただきたいスローガンは、財政悪化なくして財政再建なし、とか言ってですね。

これを言った瞬間に、こいつ頭おかしいんじゃないかと言われて、また魔の3回生が、とかマスコミに叩かれると思うので、こういうこと直接いうことは私だけにしておいていただいて、責任ある党の先生方は別の言い方をしていただければと思うんですよね。

先ほど財政制度審議会が、国債発行額を減らさないと金利変動にともなう財政リスクがあるんだと、金利変動というのは要するに、金利が暴騰したらどうするんだということを言うんですけども、これも、もう一度申し上げますけれど、前回の勉強会で申し上げましたけれども、2000年代以降、ずっと政府債務が累積し続けましたけど、金利は世界最低水準でずっときたんですね。

どうしてそうなるかというとデフレで借り手がいない限り、金利が急上昇しっこないわけです。

もし金利が上がってきたらそれは借り手が増えたということですから、デフレ脱却、景気回復の兆候なので喜ばしいわけですね。

金利が上昇して焦るってことは景気が悪い方がいいと言ってるに等しいんですね。

金利変動に伴う財政リスクは存在しない

もちろん、これだけ世間で、日本は財政危機だからやばいやばいって騒ぐと、さっきの仮想通貨に殺到したように何か勘違いして市場が混乱する可能性はあるのかも知れません、ほとんど無いと思いますが。

そうするとじゃあ金利が暴騰するとか金利が変動するっていうのを抑えたいのであれば、どうしたらいいかというと、日銀が国債を買えばいいわけです。

今それやってるわけです、実際にね。

今それをやっているので、もう金利が虫眼鏡で見なきゃいけないくらいの金利になっちゃっているわけです。

したがって、金利変動に伴う財政リスクなんてないわけですね。

国債の応募者利回り推移

実際も、1990年、まだバブルが崩壊する直前は、20年国債の金利は7%あったんですけど、誰も7%の金利の時に財政危機だって騒いでなかったわけです。

バブルが崩壊すると当然金利がぐわーと下がって。

1997年に財政赤字が心配だとかいうことで消費税増税しちゃったんですけど、1998年の金利は2.25%でそれから政府累積債務は膨れ上がりましたけど、財政赤字は拡大しましたけど、その間ずーっと、2001年を見るともう2%を切っていて、2017年ついに0.6%ということなので、

何をやってんだか私はよくわかんないんですけれども、なんで財政危機だったら金利が低いのか誰か説明して欲しいということで、そうするとまた潤沢な民間金融資産がっていうんですが、潤沢な民間金融資産は関係ないって、という、こういう話なんですね。

ただ、さっき申し上げたように銀行は、信用貨幣論によると銀行は、元手の資金には制約されないんですけど、借り手の返済能力、企業が返済できるかどうかでは制約されるので、じゃあ同じことは政府にも言えて、民間金融資産の総額は確かに関係ないかもしれないけども、政府の返済能力というのは確かに制約になるんです。

ただですね、政府は個人や企業と異なって、通貨を発行する権限は有する主体ですので、政府債務は自国通貨建てである限り、借り手の、政府の返済能力の制限はないんですね。

日本の財政破綻があり得ない理由

実際、自国通貨建て国債っていうのは、政治的意思によって返さない、返せるけど返さない、なんて言わない限りは、デフォルトは絶対しないし、歴史上もそんな例はない。

アルゼンチンがどうの、韓国がどうの、ギリシャがどうのって、デフォルトした例は全部自国通貨建て以外の国債が返せなくなったということであります。

そうするとすごいことに、日本はご承知の通りほとんどすべて自国通貨建てですので、政府の返済能力には制限は無いし、もともと元手となる金融資産の制約はないわけですから、何の制約もないということで、日本の財政破綻というのはありえないということになります。

そうするとじゃあ国債、自国通貨建て国債はいくらでも発行できるのかと、じゃあ無税国家もできるじゃないかということになるんですけど。

国債の発行制約っていうのはあるとしたらどこにあるのかというとここで、

自国通貨建てが、国債がデフォルトしないなら、財政赤字は無限に拡大できるのかというと、さすがに無限ではないんです。

無限ではないんですけれども、じゃあどこが上限かというと、財政赤字を拡大しすぎると、さっき申し上げましたように通貨供給量がだんだんどんどん増えてインフレになります。

それをガンガンガンガンやるとハイパーインフレになります。

ハイパーインフレはさすがに困るので、国債の真の発行制約というのは物価上昇率なんですね。

だからGDP債務残高とか関係ないんです。

とにかく、ハイパーインフレでなければいくらでも発行できます。

デフレである限り財政赤字はいくらでも拡大できます。

インフレになったらやめればいいわけなんで。

デフレの日本は財政赤字が少なすぎる

日本はデフレですから今、財政赤字は多すぎるんじゃなくて少なすぎる、っていうまたしても衝撃的な結論になるわけですけれども。

もっと衝撃的なことを言うと、デフレである限り財政赤字の拡大の制約はないということは、デフレである限り、無税国家も実は可能なんですよね

無税にするといっぺんでハイパーインフレになるのでやらないだけの話だということなんです。

財政出動と財源論

ここからちょっと、今日は書きませんでしたけど、もうひとつここから導き出される話を言いますと、また衝撃的な話をしますと、よく財源論っていう話があります。

財政出動するときに必ず財源論がつきまといます。

民主党政権ができたときも、子供手当が云々っていったとき、野党に下った自民党、公明党は、財源はどうしてるんだ、財源の議論をしないのは無責任だとか言ってたんですけども、実はここにありますように、デフレの時は財政赤字の拡大の制約はないので、財源論は関係ないんですよ。

だから、財源論を言わないのは無責任なんじゃなくて、責任を持って財源論をしてないか、何も知らないからのどっちかっていうということで。

じゃあ税というのは何なんですかというと、税は財源確保の手段じゃないんですよ、財源は関係ないんです。

じゃあ何のために税があるかと、税は、ここにありますように、税を無税にすると物価上昇率が高まりすぎるので税をかける、要するに税制というのは物価調整の手段なんです。

税制というのは、財源確保の手段ではなくて物価調節の手段なんですよ。

またこれを言うと、え、財源関係ないのとか言うとまた魔の3回生が、ってことになっちゃうので、言い方は気をつけていただきたいと思いますけど、私は言いますね。

デフレは税金いららないんですということなので、この考え方でやればいいと。

そうすると、そんなのは極論だって、私よく極論と言われるんですけど、そんなの極論だ、そんなことやるとハイパーインフレになると、財政赤字をどんどん拡大したらハイパーインフレになるだろうとよく言われるんですけど、誰がハイパーインフレになるほどやれと言ったんだと、それどころかデフレなのに消費税を増税しちゃうような国は、ハイパーインフレになるまで財政赤字を垂れ流すわけがないわけですね。

したがって、インフレになって、例えばインフレ率が4%ぐらいになったらもう、かつてからやりたかった増税というのはやればいいわけで、すぐにハイパーインフレとかそういうバカな議論はやめてくださいということなんです。

ただまあ今日申し上げたように、いろいろこの世間の常識とは違う話になってしまって、先生方もホントかよっていう方もおられるでしょうし、仮に本当としてもこれを有権者にどう説明するんだよっていうふうに頭を抱えちゃう、すぐには消化できないようなところがあるかと思いますが、

貨幣とは何かを理解していない橘玲

例えばこれ、ネットで見てたら、これは橘玲さんという作家の方が書かれていたんですけれども、これは別にこの方を批判したいのではなくて、こういうご意見ってのはこれが一般的な意見ですよねということであげてるんですけど、

赤字で書いてありますように、金融緩和に効果がないなら政府債務をさらに拡大して無理やりインフレにしろというマッドサイエンティストのような主張をする学者も出てきましたって。

この主張する学者、私、心当たりがあるんですけど、藤井……じゃなくて、でもマッドサイエンティスト扱いされちゃってるわけですね。

私たちはいまだに、いつ日本国の財政が行き詰まり、国債が暴落するか分からない崖っぷちをおそるおそる歩いているのです、とこういうふうに言われていて、これ、みんなそう思われている。

そうじゃないというと、マッドサイエンティスト扱いと。

で、橘さんも、もう日本の財政赤字が構造的な問題で、普通に考えて、国家が無限に借金することができないんだからと、もしそれが可能ら錬金術になってしまいますでしょう、とこういうわけですね。

そうするとこれは直感に訴えるところがあるわけですね。

それは、錬金術が無理だから、無限には借金できないんだからいつかは、っていう感じになるわけですけど。

このポイントは錬金術って言ってる時点で、この橘さんの貨幣論も多分、商品貨幣論なんでしょうね。

だからやっぱり貨幣は何かっていうのをしっかり押さえておかないと。

無限の借金が出来る条件

無限に借金することはできないっていうんですけど、あの物価の上昇率のことを無視すれば、あるいはデフレである限り、無限に借金ができるんですよ。

できるのをできないと思っているというのは、ここの錬金術発言にあるように、おそらくこの方は、貨幣とは何かを多分理解されていない。

おそらく商品貨幣論を念頭に置いているんだろうなと。

さっきの仮想通貨に期待していた人たちと同じです。

だから商品貨幣論というのはこれや結構やばいんですね。

これは別によくあるご意見なんで、この人が悪いとかそういうふうに批判するつもりはなくて、これが世間の常識ですよねってことなんですけど、このよくあるご意見のせいでみんな不幸になってるっていうのが問題で。

間違った経済理論に苦しめられる日本国民

これは島倉原さんという、こちらの勉強会でも話された方に借りた資料なんですけど、ここにありますように1975年からずっと今日までとっていくと、GDP1990年代半ばバブル崩壊し、1995年あたりからずーっと横ばいになっちゃってますが、この横ばいのグラフと赤点の財政支出の点がもうほぼ一緒ですよね。

一方で緑の点、、マネタリーベースはがんがんがんがん増やしているんですけど、GDPはちっとも動かない、ということです。

一生懸命財政指数を抑制してきたせいで、財政支出を抑制するというのは貨幣の量を抑制するということですので、デフレから脱却できなくて、当然のことならGDPも横ばい。

マネタリーベースをいくら増やしたって、日銀当座預金いくら増やしたって、それ全然関係ないですよ、ということが、もう結果が出ちゃってるわけですね。

でもこれよく見ると、2005年のあたりでもその結果が出てるのに、それから10年続けるって、これどういうことなんですかね。

見てるとだんだん腹が立ってくるんですけども、この、よくあるご意見のせいでこのざまなんですね。

だから、いでよマッドサイエンティストって感じするんですけど。

日本がアメリカや中国に負け続ける理由

よくあるご意見のせいでこれですけども、もう一つ、1997年から2015年の、横軸が財政支出の伸び率、縦軸がGDP成長率ですが、日本は財政支出を伸ばさないようにしてきたのでGDPが伸びないと、でもアメリカも中国もどの国も、財政支出を伸びているところはGDPは伸びてるんですね。

だからまあ、このまま日本が負けてく理由というのはもう明らかで、財政支出を伸ばさないからで、アメリカや中国に負けてる理由をいろいろ探したってしょうがないということです。

学力もボロボロにした日本の政治

よくあるご意見のもう一つはこれでして、これは去年、ネイチャーが出してた記事で、日本がもう、学術レベルが落ちてるという話なんですけども。

中国とか韓国とかが論文数も増やし、論文シェアも増やしている中で、日本の論文数っていうのが2005年から10年間、横ばいですし、右側の図は2005年から2015年の日本の分野別の論文数なんですけど、世界の伸びに比べて日本はほとんどの分野でマイナスになっているとということで。

2005年から10年間というのは、大学を独立行政法人化して運営費交付金を毎年1%ずつ減らしまして、みたいなことをやって、財政再建に努めてきたということで、それで大学を改革しなきゃいけない、競争資金を入れて、みたいな感じで散々いじくり回した結果がこれです。

だからまあよくあるご意見のせいで、国富国力の源泉である学術すらもうボロボロ。

日本のノーベル賞は過去のもの

最近ノーベル賞だなんだって喜んでるのは、みんな過去の成果ですので、もうこれからダメになっちゃうんじゃないですかねということで、よくあるご意見というのはどれだけ酷いことになっているかということであります。

デフレと花粉症で日本人を苦しめる日本政府

この時期花粉症とかで私もめんどくさいと思っていますけど、あれも、森林の手入れも財政出動でさっさとやればいいのに、花粉症もよくあるご意見のせいで、なにからなにまでよくあるご意見のせいで、お金がなにかを理解していないせいで、これだけ愚かなことになっていると。

したがって、まとめますと、貨幣とは何かを理解していない、つまり信用貨幣を理解していない、商品貨幣論をバックとして思ってるせいでしょう、そのせいで量的緩和でデフレ脱却できると思って失敗。

それから、ありえない財政危機を懸念して、財政健全化にシコシコ20年も励んで、20年も経済停滞の上、財政は更に悪化。

ビットコインに期待して大損をこく日本人

同じそういう人たちは仮想通貨に期待して殺到して大損ということで、実は仮想通貨、先ほどビットコインはほとんど半分以上を日本人が占めているということと、財政の問題が騒がれていること、量的緩和やって物価が上がらないこと、20年間経済が停滞していること、全部通じているということなので、

従って結論は、ということで先生方、はいみなさんご一緒に、ということで、財政悪化なくして財政再建なし、というまた人に理解されないことを言って終わります。

 
 
 

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