目次
チュチェ思想とは
なかなかこういったお話をタイトルに番組というのは放送されないと思うんですけども、危険な水域だというテーマですが。
北朝鮮の主体思想、チュチェ思想について、この沖縄でもですね、そういった思想の関係をしている人達が、むしろ国の日本の中では、中枢になっているのが沖縄でして。

そうですね。

それの事について、沖縄と北朝鮮についてという事でお話を伺いたいと思います。
先週から噛み噛みなんですけれども、チュチェ思想というのは、なんでこんなに噛みやすいあれなんですか?
どういうものなのでしょうか。

チュチェというのはね、朝鮮語で主体って書くんですよ。

それが主体っていう意味ですか。

主体って言葉と同じだと思っていい。
主体をチュチェって読むんですね。
これは、ですからね、簡単に言いますとね、北朝鮮が言っている公式の説明だとこうですね。
金日成主席が創造した「人間中心」の革命思想でございますと。
ベースはね、マルクス・レーニン主義だけれども、金日成主席が、人間がね、主人公だと言ったらいいかな。
そういうような、革命思想に作り直したもんです、という事で。
実際は、金日成さんと金正日、キムジョンイルとよく言ったんですがね、お父さんと子供の関係ですが。
今はそれに3代目のね、金正恩さんですね。
この3代続く家族を神聖化して行くという事で、その為に1970年代から、これは凄いですよ。
朝鮮労働党というのが、北朝鮮の指導政党で、一党独裁の党なんですけれども、その党と、北朝鮮の国家の唯一思想体系。
唯一思想って意味分かります?
びっくりするでしょ。
他の思想は無いって事ですよ。
※「チュチェ思想」とは?
金日成主席が創造した「人間中心」の革命思想
金日成・金正日父子と家族の神聖化をはかるため、1970年代以降、「党と国家の唯一思想体系」される・・・北朝鮮憲法にも書かれる。

許さないという事ですか?

そういう事です。
この思想以外は、思想というものを許しませんよとされる思想です。
これは、北朝鮮憲法にも書かれているものなんですね。

向こうの国民は、みんなこれをあがめているわけですか?

あがめなきゃいけないんです。
ているというよりも、これをあがめないものは…

殺されちゃう…

北朝鮮の国民ではないという事なんですね。
で、中身に入る前にね、なんでこんなものを沖縄で?
という事なんですけれども。

そうなんです。
繋がりが…
チュチェ思想が持つ2つの問題

実はですね、この思想はですね、2つ問題があって。
一つは、北朝鮮の国内で、金日成さんのね、個人崇拝というかな。
個人独裁に近いね、独裁体制を作る為に。
共産主義運動というのは、権力闘争が多いんですけど、権力闘争に勝つために作った思想なんです。
歴史の主人公は、人民、大衆だっていう言い方は、昔から民主主義の思想もそうだし。
共産主義はまさにそうなんですね。
人民という言葉をよく使う。
大衆という言葉も使う。
で、歴史を作るのも人民、大衆だって言っているんだけれども。
この朝鮮の思想は、もう一つ面白い特色は、しかし、人民、大衆が運動をしても、革命運動をしても、革命が成功するのは、優れた指導者がそこに現れなければ、成功しない。

救世主ですか?

そう、救世主。
だから、ちょっと宗教に似ている。
で、それはある特殊な家族の中に生まれる。
革命をこうね、だんだん、だんだんやって来たね、特殊な家族に生まれて。
それが、あの家族なんだという事になっているんですよ。
だから、そういう思想なんですね。
北朝鮮が狙うチュチェ思想研究会を使った日本支配

しかもね、朝鮮の国内で広がると同時に、日本とか、世界各国に持ち込もうとしたんですよ。
2つ理由があって、1つはね、各国で北朝鮮からコントロールして、敵の背後を揺さぶる。
敵が多いわけですよ、北朝鮮という国には。
朝鮮戦争という国を2分する戦いをやってからね、一番戦争が起こりやすい地域で、もう半世紀以上来ているわけですよね。
そういう中で、なるべく敵の背後を揺さぶるという点で、この思想を広めて、なるべく味方を増やそうとしたんですね。
で、お金も人も使って。
簡単に言うとね、「チュチェ思想研究会」というですね。
チュチェ研。
チュチェ思想研究会というのを各国に作って、特に力を入れたのが日本なんです。

近いからですか?

近いからなのと、朝鮮を狙っているアメリカ軍の基地があったり、自衛隊があるじゃないですか。
だからやっぱり、その国を重視して、運動を作って行ったんですね。
それに対して、日本共産党は怒ったんですよ。

そうなんですか?


チュチェ側がですか?

だから、変な話だけど、日本のね、まぁちょっと実は過激な側面もあるんですよ、これ。
後で、ちょっと話す恐ろしい話もあるんだけど。
過激な側面もあるんだけど、力が弱まったから、あまり重視しなくてもいいだろうと思って、日本の警察とかそういう所もね、注意を払わなくなっちゃった。

払って無かったんですか?

そうです。
はじめはね、これはヤバいと。
ヤバい理由は後で言いますけどね、ヤバいと思って警戒したんだけど、力が落ちたからもういいやと。
いう事で、放っておいたら、沖縄に目を付けちゃったんですよ。
沖縄に目を付けたチュチェ思想

沖縄で、まず前回の番組でも言いましたように、丁度私が国会の秘書になった頃に、少女暴行事件が起きて、もの凄い盛り上がりで。
沖縄でね、基地反対運動が盛り上がって。
基地を減らさなきゃという流れになって。
あれはあれば、僕は意義があったと思うんだけど。
沖縄だと。
沖縄の闘争を重視しなきゃなんないという風にね、彼らの本に書いてあったんですよ。
ここ最近勉強してんだけど。
それで、沖縄に色んなシンパを作って行ったんですよ。
で今、全国のチュチェ思想研究会の連絡会の会長は、沖縄の大学教授です。
沖縄の大学教授は、かなり沢山メンバーがいます。

確か、沖縄大学ですか?

そう。
沖縄大学もいるし、龍谷もいるし、沖国大もいるし、琉球大学もいます。

3つありますか?

うん。
ちゃんと、各大学、有名な人がいます。
で、今ね、これが大事なんだけど、90年代以降、全国集会ね。
日本で行われるチュチェ思想の信奉者たちの全国的な集会は、毎年那覇で行われます。

ですね。
将軍様の誕生日もやりますよね。

ついこの間ですね。
1月もあったんですね。
チュチェ思想新春セミナーって言うんですよ。
なんか、凄く勉強するみたいです。
で、ちょっと行った人の話も聞いたんですけどね、かなりガッチリ勉強させられて、後は交流会。

これはじゃあ、北朝鮮から講師が来るんですか?

あのね、朝鮮総連の人とか、朝鮮大学校っていう朝鮮総連が作った大学があるんですけど、そこの人が講師で来る事もあるけど、殆どその、日本でチュチェ思想研究会を作ったね、尾上さんというね、人がいるんだけど。
代表者はこいつやね。尾上健一。
元中核派メンバー、チュチェ思想国際研究所事務局長、国際金正日賞受賞。
恐ろしい奴 pic.twitter.com/ZuV4tx2DCN— hiro.uchi (@hirouchi5) 2019年9月29日

この方が報告したり、さっき申しました、沖縄の大学の先生たちが、沖縄の基地闘争とチュチェ思想とは、どういう関係があるかとか、そういう話をされる。
という事なんですね。

これは一つ質問いいでしょうか?
この金一家が、これ怒られるか分からないんですけど、向こうのその家族が、神聖視をされるわけじゃないですか。
その国家の中で、救世主的な位置づけになって、国をまとめて行くという話だと思うんですけど。
どうして日本人である違う民族が、そのチュチェ思想に同感というか、信じえるんでしょうか。

みんな聞かれるんですよ、これ。
でね、これはね、共産主義も多少ね、そういう要素はあるんですけど、思想というのはね、入り口というのがあるんですよ。
いきなり結論は持って来ない。
入り口はね、ごく当たり前の事から積み上げるんですね。
例えば、こういう事なんですよ。

チュチェ思想ね。
別名、金日成、金正日主義って言うんですけどね。
表向き、これはね、仏教でもね、顕教、表れる教えと、密教、隠れた教えってあるじゃない。
これは、表れている最初の命題。
「チュチェ(主体)とは人間が社会と自然の主人としてそれを主体的に変革させていく、つまり革命の主体、主人公は人民大衆であることを示す」
という。
要するに、世界を変えたり、社会を変えたりするのは、人民なんだと。
人間なんだと。
これは当たり前の思想でしょ。

言われなくても分かっているような。

言われなくても分かっているけど、彼ら、面白いんですよ。
それに、色々と理屈をつける時に、例えば北朝鮮はね、こういう事を言うんですよ。
沖縄でこういう事を言っていたの。
なんであんな強大なアメリカとね、ちっちゃい北朝鮮が対峙していてね、立派にね、持ちこたえているんでしょうか。
中国はもうね、経済は資本主義になって、貧富の差が出て、金権腐敗が出て。
ソビエトはもう潰れちゃったじゃないですかと。
今までのマルクス・レーニン主義とか、共産主義は、何か足りなものがあったんだと。
それは、実は経済システムとか、政治のシステムだけ変えれば、うまく行くと思い込んでいたんだと。
やっぱり、初めからこの人間が主人公になるという事はどういう事なのか。
これ、凄く精神主義なの。
人間が変わらなければ、変わらないって言っているんですよ。
人間の精神が変わらなければ、社会は変わらないという思想が、チュチェ思想なんです。

でも、北朝鮮はあれですよね。
もうだって、飢え死にするくらい国民は疲弊しているから

そうなんです。
だからね、都合の悪い事は聞かないんですよ。
こういうのね。
ちょっと宗教と似ているんだけどね。
宗教って言うと、宗教の人に悪いから新興宗教と。
まぁ、これは表向きなんですけどね。
これ特質の2ですね。

実はここに秘密がある。
チュチェ思想のね、本質は何か。
これは裏の、密教のものなんだけどね。
これはいくつも言い方があるんですけどね。
「社会的有機構成体論」というのがあるんですよ。
もっと言うとね、社会的政治構造というのがあるんですけど。
要するにね、人間は結びついて、一人では世の中を変えたり、大きな仕事は出来ません。
だから、協力をします。
社会を作ります。
国家を作ります。
その時に役割があるでしょと。
その時に、頭脳の役割。
それから、神経系の役割。
手足の役割がありますと。
で、頭脳のあたるのが指導者なんです。
頭脳が正しい方針を出すからうまく行くんだと。
神経系、要するに頭脳からもたらされた色んな考え方とか命令が、幹部というかね、党ですね。
朝鮮労働党。
こういうものを通じて、手足である民衆の隅々に伝わって行く。
民衆は手足として、役割を担って。
これが、渾然一体とね、団結して社会を変えて行く。
これを、社会的有機構成体という。
これをね、発見したのがチュチェ思想の最大の功績だと言っている。
だから、これがマルクス・レーニン主義と違うんですよ、というのを言っているんですね。

更に、これが本質なんですけどね、人間の命というのは、肉体的生命より…
ここから凄いですよ。
ここからちょっとカルトになって来るの。
政治的生命が大事だと。
人間にとっては、何よりも大事な政治的生命。
首領に、指導者に絶対的忠誠心を堅持し、革命的血統…
これは何かと言ったら金一家の事です。
を守り抜くために、肉体的生命はいつでも差し出さねばならない。
肉体が滅んでも、精神が生きれば、その人の人生は美しいんだという風に教え込むんですね。

これを、もうみんな信じちゃうわけですか?

そうなんです。
あのね、ある沖縄の人と話をしたんですけど、こういう考えなんですよって話をしたらね。
「沖縄はこれ入るわ」

えっ。

「沖縄の人、これ信じちゃうかもしんない」
「結構、矛盾を感じている人いるから」
って言うからね。
これ結構ね、うんと単純化して、僕は共産党の本じゃないけど、これを見てね、チュチェ思想に傾倒しちゃ困るんで。
矛盾が分かるように話しているからあれだけどね、実にね、緻密にね、思想体系が出来ているんで。
積み上げて、入り口から、「自然と社会の主軸は人間である」というね、誰でも分かる、なるほどそうだよね、という所から入って行って、この最後の政治的生命優先論の所に入るまで、洗脳して行くんですよ。
その証拠を見せる為に、平壌を訪問。

させてあげるんですか?

沖縄から盛んに行っています。

あっ、そうですね。
あの2000年だったと思うんですが、2000年ですね、元知事の肩書だったんですが、

大田さんね。
出典:毎日新聞

200名規模で連れて行っていますよね。

あれがきっかけになってね、毎年。

あれがきっかけだったんですか。

今は100人、200人とは行かないですけれども、毎年沖縄から、日本代表団という事を言っているけれども、去年の代表団長は沖縄の方でしたよ。

こんなにも、恐ろしい所に未だに毎年行く人達はいるわけですか?

恐ろしくないんですよ。
ところがね、観光に行ったらね、結構楽しいんだって。
見せるように出来ているから。
でもね。
